NISSAN NOTE e-POWER
「日産ノートが販売台数ナンバー1」

 こんなニュースが駆け巡ったのは昨年の11月のことである。日産が販売台数で首位に輝いたのはなん30年ぶりだというから、ノートの活躍が話題になっても不思議ではない。 

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 しかも、低価格の軽自動車を含む快挙だから素晴らしい。さらにいえば、話題性の高いフルモデルチェンジではなく、マイナーチェンジである。改良モデルが首位に立つなど、これまでには一度もなかったかもしれない。


 その最大の功労がもちろん、「e—POWER」であることは想像の通り。特集なハイブリッドシステムを採用した「e—POWER」がいきなり、人気モデルとなったのである。ここで簡単に、ノートのエンジン構成を紹介しよう。


 コンパクトモデルのノートには、4種類のパワーユニットが採用されている。エンジン型式はすべて直列3気筒1.2リッターユニットなのだが、98psパワーを発生するのがスーパーチャージャー付き、それに続くのが79psNA、さらにモーターと組み合わせたハイブリッドユニットがラインナップされる。そこに、駆動系と完全に切り離されたユニットが加わるという構成である。それを「e—POWER」と呼ぶ。


 念のために確認しておくと、「e—POWER」以外の3種類は一般的な駆動用エンジンである。ところが「e—POWER」は考え方が決定的に異なる。エンジンは発電機としての存在であることだ。ドライブシャフトとは連結されていない。駆動はモーターに頼る。エンジンはあくまでリチウムイオンバッテリーに電力を供給するためだけなのだ。その意味で言えばノートは、「発電機用エンジン搭載EV」と呼べるのである。


 これが市場にウケた理由は、日産が積極的に推し進めながらなかなか思うように販売が伸びないリーフの不安材料とされた航続距離の短さを補ったからである。電力が空になれば動かなくなるリーフとは違って「e—POWER」は、ガソリンさえ空にならなければ常に自前で電力を供給する。ガス欠の不安が薄らいだのである。


 だが、「e—POWER」の魅力はそれだけではなかった。そのあたりを今回スノードライブで確認できたので報告しよう。


 「e—POWER」は、常にEV走行をする。つまりEVモーターの特性で、驚くほど強力なトルクを得ているのだ。それは2リッターNAエンジン級のトルクに達する。最大モータートルクは254Nm/0rpm~3008rpmなのだ。他のモデルのトルクが103Nmなのだからその2.5倍。いかに強力であるかが想像できるだろう。

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 実際にスノーロードをドライブしても、強烈なトルク感には頼もしさすら覚えた。強い急勾配でも、グイグイと力強く加速してくれるのだ。1.2リッターモデルだと考えないほうがいい。別次元にあると思った。

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 そしてさらに、モーター駆動ならではの優れたレスポンスが魅力である。最大トルク発生回転数の表示でも分かるとおり、電気モーターはアクセルオンのその瞬間から最大トルクを発生する。回転の上昇を待ってトルクが嵩上げしていくエンジン駆動とはまったく異なる反応の鋭さが味わえるのだ。

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 それはスノーロードでも大きなメリットだった。滑りやすい路面では、繊細なアクセルワークが不可欠だ。路面のミューが低いから、慎重なスロットルコントロールによって適切なトルクを出し引きしなければならない。だが、低回転トルクが細くレスポンスが悪いガソリン駆動では動き出しが頼りなく、かといって踏みすぎると過剰すぎて駆動輪が空転してしまう。ガソリン駆動にはそんな癖がある。


 その点で、0回転から安定してトルクが発揮されるEVモーターはドライブを優しくしてくれる。低回転トルクが細く、回転の上昇に伴ってトルクが波うつガソリン駆動では太刀打ちできないのである。

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 資料によると「1万分の1秒単位のトルク制御が可能」だとある。しかも、駆動系のねじれ補正もする。スケートリンクのような超低ミュー路面でさえも、前輪のほんのわずかな空転やグリップ状態を引き出すことが可能だったのである。EVモーター駆動の大きなメリットを感じた次第だ。


 さらに「e—POWER」の魅力を加えるならば、発電機用エンジンがあたかもガソリン駆動用に振る舞うことだ。強いアクセルオンではすぐさまエンジンが始動し、加速に比例してエンジン音が高鳴る。サウンドはいかにも直列3気筒の頼りないものだが、EVを走らせている感覚がないのだ。EVの無音感覚に慣れない保守的なユーザーにも馴染む。

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 それでいてもちろん、常にエンジン音が響いているわけではない。バッテリー残量や走行パターンによって異なるのだが、緩加速であったりクルージングであったり、あるいは減速時には静粛性が保たれるのだ。


 あまりに魅力的だったから紙枚が進んでしまったが、さらにもう一つくけ加えておきたいことがある。「e—POWER」はアクセル温度俊敏な反応を示すだけではなく、アクセルオフでの減速Gも自在にコントロールできるのだ。「Sモード」と「ECOモード」では、特に強い減速Gが得られる。本来ならブレーキペダルで減速したくなるような場面でも、アクセルオフで強い減速が始まるのだ。まさにワンペダル走行感覚である。これも「e—POWER」の魅力かもしれない。

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 ともあれ、今回のスノードライブでは紹介した数々の「e—POWER」の魅力がさらに際立って感じられたのも事実。滑りやすい環境でさえ、「e—POWER」はイキイキと走った。

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