LEXUS Sport Yacht Concept

「レクサスがスポーツボートの世界に進出するらしいぞ」


 2017年1月北米デトロイト自動車ショーが開催された会場で、その噂が広まっていたのには驚いた。
 実はレクサスがボートを発表することは事実で、デトロイトモーターショー開催中のマイアミで、華々しいワールドプレミアが予定されていたのだ。臭覚の鋭い関係者がその噂を聞きつけ、真意を探っていたのである。

LEXUS Sport Yacht Concept
 レクサスはデトロイトショーで新型LSを発表したばかり。大ネタを被せてくるものかと否定的な意見もあったけれど、勢いづくレクサスがプレミアムボートを開発していても不思議ではないと思えたのも事実。


 しかも条件が揃っている。レクサスにはトヨタマリンという強力な後ろ盾がある。


<PONAM-35 / PONAM-28V>
 プレミアムクルーザー「ボーナムシリーズ」を展開している。優雅なポーナム35をフラッグシップに、ポーナム31をリリース。昨年は世界初のハイブリッドハル(船体)を採用したポーナム28Vを発表するなど、このところ精力的に新型を投入していのだ。

LEXUS Sport Yacht Concept
<PONAM-31>
 すべてフライブリッジ(二階の操縦席)と宿泊すら可能なキャビンを備える豪華クルーザーである。高価なボートとレクサスとの親和性は高い。レクサスが、トヨタマリンとのコラボでスポーツボートを開発することは、自然な成り行きだと誰もが思っていたわけだ、

LEXUS Sport Yacht Concept
 さらに言えば、世界のプレミアムメーカーは次々とボート分野の進出している。フェラーリは390馬力二基がけのスポーツボートを発表していたし、AMGもレース仕様依然としてパワーボートをお披露目している。いよいよレクサスもか⁉ 誰もがそう思っても不思議ではないのである。


 何を隠そう、マイアミのワールドプレミアには、僕も招待されていた。不肖この僕も、日本ボート・オブ・ザ・イヤー選考委員の末席を汚している身、レクサスボート発表の場に立ち会った。

LEXUS Sport Yacht Concept
 レクサスが発表したのは、前後に長く、低い船体のスピードボートだ。その名はスポーツヨットコンセプト「L42」と発表された。今すぐの市販化ではないコンセプトモデルだが、お披露目には実際に会場をクルーズ、借りきった超豪華な別荘のポンツーンに横づけされた。すでにクルージング可能なのだ。

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 操縦桿を握っていたのはなんと、レクサスのCBO(チーフ・ブランディング・オフィサー)を豊田章男社長であった。マリン担当の友山茂樹専務も同乗しての登場に、市販化を夢見ても不思議ではなかった。コンセプトといっても設計段階でもイラストイメージが展開されるだけでもない。多くの関係者を乗船させ、プチクルージングをしたのだから、ほぼ完成しているといっていい。あとは機が熟すのを待つだけだ。


 デザインはマリンデザイナーではなく、レクサスインターナショナル所属のデザイナーが筆をふるったという。職人の手による積層一体成型のCFRPを採用し、ハルとデッキの段差をなくしていたのには驚かされた。


 全長は12.8m。全幅は3.7m。最大積載量は2000kgで、最大乗員は8名だ。前後に伸びやかで低いシルエットである。ボートの常識を覆すデザインはレクサスフィロソフィーを感じさせるものだった。

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 それでいて、バウには広いキャビンを備えている。室内高はなんと1.9m。長身の男性が立って移動できる空間である。メガクルーザーならまだしも、スポーツボートタイプでは異例の快適さなのである。ギャレーには、2口コンロやシンク、もちろん冷蔵庫まで完備。レクサスモデル同様、マークレビンソン製のオーディオ・ビデオシステムを装備していた。

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 パワーユニットは、LC500や「F」モデルに搭載されるV型8気筒5リッターをマリナイズし、左右の二基掛けだ。最大出力一基が470hpを発生するからトータルで940hpというビックパワーである。

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 操舵系は油圧だ。基本は船内外機。エンジンはスターン(船尾のデッキ下)に積まれ、ドライブユニットは船外に沈められているタイプ。トリム調整も可能なIMCO製スターンドライブと組み合わせており、最高速度は43ノットに達するという。接岸離岸がイージーなジョイステック可能バウスラスターも装備。前後だけでなく、横に平行移動すら可能。運転が容易なのである。抜かりはない。

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 燃料タンク容量は1000l。聖水タンク容量は150lであり、排水タンク容量は120lと公表されている。開発に関しては、名門のカーバが担当したというから安心である。


 これから本格的な生産体制に移行していくことを希望するが、とにかくレクサスが手がけるマシンの魅力は、その個性的なデザインや心憎いばかりのもてなしだけではなく、圧倒的な安心感にある。海の乗り物は常に、大海原という危険に触れ合っているのだ。海の恐怖は船のトラブルである。信頼性世界一のレクサスが手がけることの安心感は計り知れないのである。

LEXUS Sport Yacht Concept
 早くこの船で、大海原を43ノットで疾走してみたい。今からワクワクしているのだ。

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■LEXUS 公式サイト
https://lexus.jp/