LEXUS RCF
 レクサスのスポーツフラッグシップに君臨していたLFAが、世界500台の限定販売を完了してからは、ずいぶん時が経つ。それからというもの、レクサスのスポーツイメージを牽引してきたのがRC Fだ。

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 流麗なスポーツクーペのシルエットは、極めて安定感あるスポーツカーの形をし、詰め込まれているスポーツマインドは熱く激しい。
 ただ、プレミアムレクサスが掲げるスポーツカーである以上、ただ闇雲に速さを求めているのではないだろうし、そこには無骨な油臭さはないだろうと想像する。上質なスポーツフィールに終始するのだろうと。

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 僕は知っている。都会の喧騒から連れ出して、手綱を緩めてサーキットを走らせても、スポーツカーに対峙するほどの走りの性能を秘めていることを、だ。

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 今回、袖ヶ浦スピードウエイに引っ張り出して、RCFの性能を確認することにした。プレミアムスポーツの走りとは・・、はたして

サーキットに通用するのか・・である。

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 RCFに搭載されるエンジンはV型8気筒5リッターDOHCである。最高出力は477ps/7100rpm、最大トルク530Nm/4800rpm~5600rpmである。ポア×ストロークは94mm×84.9mm。高回転化に有利なショートストロークタイプである。

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 さすがに5リッターもあると、過給機の助けを借りずとも、過不足ないトルクを発揮する。ターボトルクとは異なる。極低回転域から湧き上がるようなトルク感ではない。アクセル開度を先回りするような強引なトルク特性ではなく、ドライバーの狙い通りの出力が発揮されるのである。これぞ大排気量NAの魅力だ。最近流行のダウンサイジングターボでは味わえない感覚である。

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 組み合わされるギアは8速もあるから、パワーバンドをはずことはまずないのだが、ギアの選択に迷ったら、一段高めのギアでのダッシュを試みても不満はない。ターボ流の走り方に挑んでも耐えうるだけのトルクが備わっているのは嬉しかった。


 しかも高回転域が抜けている。スペックデータが証明するように、ピークパワーの発生回転数は7100rpmに及ぶ。さらに言えば、回転リミッターに頭を叩かれて慌ててシフトアップをする羽目になるほど、高回転域で絞られる感覚がないのだ。もっとリミッターを遅らせてはだめなのかなぁ。そう思うほど高回転域も伸びるのである。


 コーナリング特性も刺激的である。そもそもオープンカー用のシャシーをベースにルーフを被せてしまったという作り込みであるから、ボディ剛性は高い。高すぎる。そこに、やはり剛性感の強いサスペンションが組み込まれている。その気になって攻め込んでも音をあげるはずもないのだ。

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 コーナリング特性もアクセレッシブだ。基本的にはアンダーステアが強いのだが、例外なのは限界領域でパワーオンに挑んだ時だ。リアタイヤがグリップを見放し、テールスライドに陥る。安全デバイスが救ってくれるのだが、トラコンオフ状態で挑むと、激しくスライドすることがあった。

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 あくまで電子制御ありきの走り味である。アグレッシブな「スポーツ+」モードをセレクトすれば、微細なテールスライドまでは受け付けてくれる。これ以上はスピンだよ、という段階で救ってくれるという設定には助けられた。


 試乗時間の限り、サーキットを攻め続けた。だが、最後までマシンが音を上げることはなかった。プレーキタッチが甘くなる兆候すらなかったし、エンジンパワーが熱ダレすることもなかった。さすがにタイヤ温度がピークを超えたことは確認できたが、それはこまめにタイヤ管理をするしかないだろう。ついには音を上げたのは僕の方だった。

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 欲を言えば、前後重量配分を整え、低重心化を進めてほしいところだが、それは今後に期待しよう。


 ともあれ、日本にこれほど熱く激しいスポーツプレミアムが存在していることが嬉しい。海外にはBMW・MがありAMGがある。キャデラックにもVがある。プレミアムモデルをベースに筋骨を鍛えた、そんなスポーツグレードと同じ土俵で戦えるモデルが存在することを素直に喜びたい。

■レクサス 公式サイト
https://lexus.jp/


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