LEXUS LS
 2017年1月8日、北米デトロイトモーターショーで、ひときわ衆目を集めたのがレクサス世界初披露の新型「LS」だったと思う。


 レクサスは、メイン会場にわざわざ巨大な発表披露会場を設営した。これは他メーカーにはない、レクサス/トヨタだけの華やかさである。しかも、多くの関係者が見守る中、観客席の後方から花道を自走しながらステージにおさまるというサプライズで我々を歓迎してくれたのだ。


 溜息のような歓声のようなどよめきが沸き起こり、それは次第に割れるばかりの拍手に変わった。日本人だけでなく世界の人々が待ち焦がれていたのだ。


 それもそのはず、フラッグシップとなる新型 LSは、11年ぶりのフルモデルチェンジである。1989年に初代が発表されるやいなや、圧倒的な静粛性と乗り心地と、そしてレクサスならではの信頼性が瞬く間に評価され、世界の超高級車に名乗りを上げた。それ以来、世界の市場で評価されつづけ、ついに5代目が姿を現したからである。

LEXUS LS
 どよめきを誘ったのは、予想だにしなかったスタイリッシュな6ライトキャビンを纏っていたことにもあるだろう。あるいは一部では、すでにコンセプトモデルとして発表されていた「LF-FC」を熟成させて登場させるのだと予想する関係者もいた。だが、新型LSのデザインはそれとは異なっていた。6ライトキャビンであり、流れるようなシルエットを特徴とするクーペスタイルだったのである。高級プレミアムセダンの定番だったスクエアなシルエットからの脱却である。


 そこには保守性も没個性もない。LSの伝統を意識させつつも、新しい一歩を踏み出そうとしているのだろうと僕は想像した。デザインの力は凄い。

LEXUS LS LEXUS LS
 インテリアの造形も、ハッと息をのむほどに美しかった。水平基調を主体にサイドに流れるインパネは、その流れをドアトリムまで回り込ませることコクピット全体に心地よい一体感を残すことに成功しているように思った。独特の広がりを感じさせるのだ。それでいて、適度に乗員を包み込むことで、ドライバーズカーとしての資質を予感させる、パッセンジャーカーとしての広がりが両立しているのだ。

LEXUS LS
 コクピットに群がる関係者はまったく減る気配がなかったが、長々と順番を待って室内に潜り込んだ瞬間の言葉はこれ。「美しい」である。実際にもLSは、2017年のデトロイトで発表された全モデルの中で、栄誉あるインテリア賞を受賞したことをそのあと知った。

LEXUS LS
 そんな美しくダイナミックなLSの骨格は、「GL-A」である。エンジン等の駆動系を低く搭載し、タイヤを四隅に配置することが可能なプラットフォームを採用したことで、驚くほどの走行性能が期待できるのだが、一方でそれは、美しいボディシルエットの完成にも貢献しているというのである。


 ボディサイズは全長5235mm×全幅1900mm×全高1450mmと公表されている。先代に比較すると前後に長く広く、それでいて低いのだ。ホイールベースは35mmも延長されている。
 ちなみに、メルセデスS550longより15mm短く、BMW750Liよりも25mm長い。世界のプレミアムと並べても見劣りすることがないばかりか、伸びやかさでは圧倒しているように感じた。ロングホイールベース仕様「L」は今後に発表されるのかもしれないが、標準モデルでさえ堂々としており誇らしかった。

LEXUS LS
 搭載されるエンジンはV型6気筒3.5リッターユニットに二基のターボを合体させている。最高出力は421ps/5200rpm~6000rpm、最大トルクは600Nm/1600rpm~4800rpmである。10速ATと組み合わされる。ハイブリッド仕様の発表もいずれ行われるのだろう。


 さらに言えば、レクサス初の予防安全技術は最先端の領域に達している。いち早く危険を察知し、確実に危険から逃れるシステムを投入しているのだ。同様に、ウインカー操作で車線変更支援や、渋滞時のいやゆる追尾機能など、運転支援技術Lexus CoDriveも高度なレベルに追い込んでいるという。
 米国に設立した人工知能技術の研究開発部門TRIのギル・ブラットCEOにも話を聴く機会をいただいたが、そこで日々行われている研究が注がれているのだと想像した。頼もしいかぎりである。

LEXUS LS
 デトロイトショーで見て触れただけで、実際にステアリングを握って走らせたわけではない。だが、長い経験からこれだけは確信が持てる。新型LSが素晴らしい操縦性を備え、世界トップの優雅な走りと高い安全性を備えていることは想像できたのだ。

LEXUS LS
 ひとつ残念なことがある。市販モデルを走らせるまでに、僕らはおそらく1年ほど指をくわえて待ち続けなければならないことである。


■レクサス 公式サイト
https://lexus.jp/


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