キャデラックの小型クロスオーバー「XT3」は、2018年後半に登場
ゼネラルモーターズ(GM)の高級車ブランドであるキャデラックは、セダンに大きく偏ったラインアップが特徴だが、クロスオーバーが飛ぶように売れている近年の自動車市場に対応して、方向性の転換が迫られているようだ。米国紙『The Detroit News』は、キャデラックのヨハン・デ・ナイシェン社長に取材を行い、同ブランドが昨今の消費者の好みに合わせてラインアップを変更する計画について報じている。とはいえ、少なくとも2015年以来、「XT5」(日本名:XT5 CROSSOVER)よりコンパクトなクルマの投入についてデ・ナイシェン社長は言及してきたので、この計画に新しい小型クロスオーバー「XT3」が含まれているのは驚くことではない。

同紙はまた、GMがビュイック「ラクロス」とシボレー「マリブ」を製造しているカンザス州のフェアファックス工場がXT3の生産拠点になると予測している。だが、ラクロスとマリブは「イプシロン」プラットフォームに改良を施した最新の「E2XX」をベースとしているので、この工場でXT3の生産を始めるのは合理的とは思えない。XT5は同イプシロンのクロスオーバー専用プラットフォーム「C2XX」を採用しているが、XT3はXT5よりコンパクトサイズになると予測される。従って、フェアファックス工場に別の組立ラインを用意するか、あるいはC2XXプラットフォームを大幅に短く切り詰めて対応しなければならないからだ。

だが、おそらくXT3には、小型クロスオーバーのシボレー「トラックス」やビュイック「アンコール」で採用されている「ガンマII」プラットフォームが使われるのではないかというのが我々の予想だ。この2車種は、輸出先に応じて韓国またはメキシコで生産されている。なお、アンコールはビュイック・ブランドにおいて非常に好調な売れ行きを記録しており、昨年末から販売台数を伸ばし続けている。もう1つの可能性としては、中国で製造されているビュイック「エンビジョン」GMC「テレイン」シボレー「エクイノックス」のプラットフォーム「D2XX」を用いることが考えられる。その場合、おそらく組み立てはカナダのオンタリオ州にあるCAMI工場で行われることになるだろう。今はまだ初期の段階なので、GMがXT3にどのプラットフォームを用いるか、組み立てをどこで行うかを明言しない限り、フェアファックスに関する噂が何を示しているのかを判断するのは時期尚早だろう。

キャデラックの小型クロスオーバーについては、これまでも話題に上ってきた。2015年にはデ・ナイシェン社長が2018年中の発売を公言していたが、その後ロイターに対して2019年頃になるだろうと語っている。『The Detroit News』では、同氏が2018年後半にクロスオーバーを発売すると語ったと報じており、これまでに我々が耳にした情報とは差が生じている。

留意しておきたいのは、キャデラックから現在販売されているクロスオーバーが、XT5と「エスカレード」の2モデルだけだということだ。同ブランドがラインアップの穴を埋めようと躍起になっているのは理解できる。我々は、この2モデルの間におそらく「XT7」という名称で3列シートのクロスオーバーが登場するのではないかと予想している。デ・ナイシェン社長はそのようなモデルが開発中であることを認めているし、GMは3列シートのシボレー「トラバース」やビュイック「アンコール」を製造しているランシング・デルタ・タウンシップ組立工場を拡張している。これはGMがキャデラックに投資する120億ドル(約1.4兆円)の一部である。

さらに、『The Detroit News』では「ATS」セダンの下位モデルを「CT3」という名称で発売する可能性についても報じた。この点については、我々が2015年にデ・ナイシェン社長から聞いた情報と合致している。


By Alex Kierstein
翻訳:日本映像翻訳アカデミー