LANDROVER EVOQUE Convertible
 ここが西海岸ならまだしも、しれっと二極化が進みときおり寒風吹きすさぶ東京(本当は、試乗会場はみなとみらいだったけれど♡てへ)で、こんなクルマを見せられても正直「誰が乗るんでしょうねぇ~」くらいにしか最初は感じなかった。
それだけに。その衝撃は、すさまじいものがあった。

LANDROVER EVOQUE Convertible
 レンジローバー イヴォーク コンバーチブル。まだジックリとこれをロングドライブして精査したわけではないのだが、その第一印象は「見ると乗るとは大違い」。...もとい、「見てよし、乗ってさらによし!」の素晴らしいオープンSUVだったのである。

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 ベースとなるのはご存じ、レンジローバーの人気クロスオーバーSUVであるイヴォークのクーペモデル。グレード的に見るとコンバーチブルは、20インチタイヤを履いた「HSE Dinamic」モデルが採用されている。

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 搭載されるエンジンは最高出力240ps、最大トルク340Nmを発揮する2リッターの直列4気筒ターボで、トランスミッションは9速AT。


 その駆動方式はFWDを基調とした4WDで、そのセンターコンソールにはランドローバーのお家芸である「オールテレイン・プログレス・コントロールシステム(ATPC)」も装備。そう、本国のイヴォークにはFWDモデルもあるのだが、ランドローバーはこのコンバーチブルを単なるファッションSUVとしてではなく、れっきとしたオフローダーとして捕らえているのだ。

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 ハイライトはやはりそのオープントップ。どでかい幌の開閉は全自動で、これがシート座席後部、通常ならトランクスペースとなる部分へとZ型にたたまれる。ちなみにその開閉はルーフの展開に21秒、格納に18秒しかかからない。

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 これだけの大きなパーツがガバッと開いて格納される様を見るのは一種のアトラクション。また走行中でもこの開閉は48km/hまで受け付けてくれるので、隣に乗せた美女もキャッキャとはしゃいでくれるのではないだろうか。
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 さてようやくこれを走らせた印象になるわけだが、ひとことで言うともうトロけるような気持ち良さだ。風の巻き込みは若干あるが、いわゆるオープンカーを体験したことのあるユーザーならば問題ないレベル。ウインドーを上げればこれもかなり収まるし、トランクルームからディフレクターを引っ張り出して装着すれば、その快適性はさらにグッと高まる。

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 オープン4シーターというと脳天気そうな男女4人が笑顔で街中を流すビバリーヒルズ的なポートフォリオを思い浮かべるかもしれないが、正直それは極低速域での話。普通に走ったらリアシートは風の巻き込みが激しく、オープンになってもやはりイヴォークはパーソナルSUVというキャラクターなのだナ、と強く感じた。あくまでこの広大な空間を、ふたり(もしくはひとり)で使うのが最高の贅沢である。
 そう考えると脱着が面倒なディフレクターは"付けっぱ"にしてもよいと思う(これで幌が閉じられるのかは未確認だった。申し訳ない!)。リアシートに置いた荷物が飛ばないようなネット構造になっているのも安心感がある。

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 最高なのはその眺望だ。SUV特有の高い着座位置で感じるオープンエアは、ペタペタのスポーツカーで得られるそれよりも、開放感が数段高い。まず視界を邪魔する他車の影響が少なく、他人から覗かれている感覚がないために、変にストイックに乗る必要がまるでないのである。むしろちょっとした優越感と、高いところにいる純粋な楽しさがソフトミックスされて、ムフフフフ~と思わず顔がほころんだり、そのニヤけ顔をちょっと引き締めて乗ったりと、気分の高揚感がたまらない。またこのクルマにレンジローバーの伝統があることで、そのチャラついた気持ちが、ほどよく引き締められるのもいい。


 そして何よりその走りが、開放感の興を削がない。
パワートレインのリニアリティは既にクローズドモデルで実証されているが、これがオープンでも同じ感覚で運転できるのには深く感動した。


 ボクは物理の法則は絶対だと思っている。これだけ大きなSUVの屋根をごっそり取り払えば、確実にボディ剛性は落ちているはず。それでも操舵に対する応答遅れもなく、アクセルオンに対する身震いや、フロアからの振動が見事に遮断されている。

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 これはスチールモノコックを効果的に補強したことが実現した剛性だろう。実際その車重は、ベースとなるイヴォークよりも200kg以上重たい2020kgに達している。

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 また幌の開閉に関係なく251ℓの容量を確保するトランクルームの構造も、剛性に貢献していると思う。間口が狭いだけに決して使い勝手がよいとは言えないが、容量的にはまずまずだし、この形状だからこそ走りがシャッキリしたのではないか。

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 そしてサスペンションやブッシュの剛性バランスが整っているから、乗り心地に不快感がない。実際にはクローズドモデルよりボディがしなっていたとしても、その反発や振動が上手に吸収されているのだ。特に20インチタイヤの突き上げ感がないことには、本当に驚いた。というか、この車重に対して20インチがマッチングしていると言える。


 ともかくこれだけ大ぴらに屋根をぶった切っているのに、極めてスムーズにコーナリングして、加速できるイヴォーク・コンバーチブルには、本当にキツネにつままれているような気分になった。
そしてこの素晴らしいセッティング能力があるからこそ、極上のオープンエアSUVが成立するのだと強く感じた。


 ゴージャスさやプレミアム性を打ち出す手法としては、馬力や0-100km/h加速を上乗せすることが一番手っ取り早い。しかし年々厳しくなる環境性能に対して、すでにエンジン排気量の大型化は望むべくもないし、メーカーとしても馬力競争には「労多くして功少なし」というイメージを少なからず持っていると思う。それ以上に、もはやオーバー500馬力や600馬力を追いかけること自体が、ユーザーには手に負えないものになってきているはずで、これもいずれは飽和状態が来るだろう。


 そんな古典的な方法論に対して、ランドローバーは実にみごとな次世代のプレミアム手法を打ち出したと思う。オープン4シーターのSUV、これは間違いなく今後のトレンドになるはずだ。
もっともそれを実現するには、単にSUVの屋根をぶった切れば良いというわけではない。半端な気持ちで真似たところで良いものなんてできるはずはないのだが、そこには多くのメーカーが群がってくるのではないだろうか。
 その筆頭としては先日発売されたティグワン。ジュネーヴショーのコンセプトモデル「T-CROSS」を見てもそれはあきらかであるし、となればグループ内でAudiやポルシェがそのモジュールを共用しないはずはない。マカン・コンバーチブルなんて出たら、どうなってしまうのだろう!?


 ドイツ軍団がこのジャンルにどのような乗り込み方をしてくるのかとても興味深いが、ともあれそこに一番乗りしたランドローバーの英断と、その出来映えには、まず大きな拍手を送りたいと思う。やっぱり彼らには、開拓者のイメージがよく似合う。

■ランドローバー 公式サイト
http://www.landrover.co.jp/index.html


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