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アウディ ジャパンは26日、マイナーチェンジを受けた「A3」およびその高性能版「S3」の日本導入を発表。同日より全国の正規ディーラーで販売開始した。

まさに"プレミアム・コンパクト"という言葉が似つかわしいアウディの現行型A3は、5ドア・ハッチバックの「Sportback」が2012年に発表され、翌年にはシリーズ初となる4ドア・セダンが追加された。車体はフォルクスワーゲン・グループの横置きエンジン用モジュール「MQB」を使用するため、その基本構造はクラス上のアウディ「A4」ではなく、フォルクスワーゲンの現行型「ゴルフ」に近いと言える。



とはいえ、A3は今回のマイナーチェンジによって、新型A4とよく似たヘッドライトやシングルフレーム・グリルが与えられ、紛う事なきアウディ一族であることを主張するだけでなく、運転席に座れば従来のメーター・バネルをフルデジタルのディスプレイに置き換えた「バーチャルコックピット」がついにこのクラスにまで採用された。そのため、どこから見ても最新のアウディ車らしく感じられる。




もちろん、見えない部分も"プレミアム"の名に恥じないアップデートが施された。レーダーセンサーを利用する緊急時自動ブレーキ「アウディ ブレゼンス フロント」や、先行車との車間距離や速度を自動で維持する「アダプティブクルーズコントロール」は全車に標準装備。さらに、車線から逸脱しそうになると警告を発すると同時にステアリングを自動修正することで車線維持をサポートする「アウディ アクティブ レーンアシスト」、レーダーとカメラで車両の後方および側方を監視し、車線変更時の危険を減らす「アウディ サイドアシスト」、0〜65km/hで走行中にアクセル、ブレーキだけでなくステアリング操作もアシストしてドライバーの負担を軽減する「トラフィック ジャム アシスト」などの先進運転支援機能も「セーフティパッケージ」として提供される(ただし2017年夏以降)。



パワートレインも一部変更された。前輪駆動モデルの1,394cc直列4気筒ターボ「1.4 TFSI」エンジン(最高出力122ps/5,000〜6,000rpm・最大トルク20.4kgm/1,400〜4,000rpm)と乾式7速デュアルクラッチ式トランスミッション「Sトロニック」は従来から引き継ぐが、フルタイム4輪駆動の「クワトロ」には、これまでの1.8リッターに替え、「Bサイクル」と呼ばれるアウディ独自の燃焼方式を採用した新しい1,984cc直列4気筒ターボ「2.0 TFSI」エンジンが搭載された。発案者のDr.ラルフ・ダックから命名されたこのエンジンは、過給エンジンとしては異例に高い11.6という圧縮比が特徴で、低〜中負荷時には吸気バルブを早めに閉じるいわゆるミラーサイクルを採用することで燃料消費を減らし、高負荷時には一般的なバルブタイミングに戻して高出力を得るという。従来の1.8リッター・エンジンを上回る最高出力190ps/4,180〜6,000rpmと最大トルク32.6kgm/1,500〜4,180rpmを発生する上、排気量が拡大したにも拘わらず、JC08モード燃費は14.8km/Lから16.0km/Lへ改善されている。従来の排気量を縮小して過給器と組み合わせる「ダウンサイジング」に対し、アウディでは余裕ある排気量を利用して高効率化と出力向上を図るこの手法を「ライトサイジング」と呼ぶ。また、この大トルクに対応する湿式デュアルクラッチ式Sトロニック・トランスミッションも、(同じ横置きエンジンの「TT」に先駈け)従来の6速から7速に改良された。これには新たな機能も追加されており、「アウディ ドライブ セレクト」で「efficiency」モードを選択した場合、巡航時にアクセルを閉じるとクラッチが切り離され、燃料消費を低減するという。




高性能モデルのS3は、これまでと同様に圧縮比9.6の2.0 TFSIエンジンを搭載するが、従来より回転数を引き上げることで最高出力が5psほど向上、290ps/5,400~6,500rpmとなった。最大トルク38.8kgm/1,850〜5,300rpmは変わらないが、トランスミッションはA3 クワトロと同じ7速Sトロニックに替わっている。また、S3では新たにLEDヘッドライトが標準となり、さらにオプションで自動的にハイビームの照射を制御する「マトリクスLEDヘッドライト」が選べるようになった。もちろん、通常のA3よりスポーティな内外装と18インチ・ホイール+225/40R18タイヤを備えることはこれまで通り。



モデル・ラインアップでは、16インチ・ホイールと205/55R16サイズのタイヤを装着する「1.4 TFSI」と「2.0 TFSI クワトロ」に、ホイールを17インチにアップして225/45R17タイヤを組み合わせ、車高を15mm下げた「Sport」仕様がそれぞれ設定された(というより、従来の「1.4 TFSI cylinder on demand」と「1.8 TFSI クワトロ」はこちらの17インチが標準だった)。これらに加えてS3があり、さらにボディ・タイプは5ドアのSportbackと4ドアのセダンから選べる。つまり全部で10車種も用意されているわけだ。なお、この日の発表会で展示されたA3はどちらも18インチ・ホイールが含まれる「S line」パッケージ付きで、これはSportモデルにのみ装着可能。ちなみに、4ドアは5ドアより全長が140mmほど長いが、荷室容量は4ドアの390リッターに対し5ドアの方が425リッターと大きい。

消費税込み価格は、5ドア Sportbackの1.4 TFSI が293万円と、これまでより10万円も値下げされた。2.0 TFSI クワトロは(16インチになったこともあり)従来の1.8より30万円も安く、399万円に設定されている。S3は7万円だけ値上げされて606万円。4ドア・セダンはSportbackよりそれぞれ28万円高となる。



アウディ ジャパンではA3の想定ユーザーを「30〜50代の都市型ファミリー」としているが、この日の発表会にゲストで招かれたタレントの田丸麻紀さんは、ご両親に乗ってもらいたいと仰っていた。コンパクトで扱いやすく、質感も安全性も極めて高いことを考えれば、そのお気持ちはよく理解できる。特にエレガントな4ドア・セダンは、60代以降の方がお乗りになると素敵に見えるのではないだろうか。詳しい情報は以下のURLから公式サイトをご覧いただきたい。

アウディ ジャパン 公式サイト
http://www.audi.co.jp