これはエコ! フィンランドの石油会社が、ハムを焼いた後の油から1万リッターのディーゼル燃料を製造
昨年のクリスマスをフィンランドで過ごした人なら、同国の石油会社Nesteによる"ハムの油回収キャンペーン"のことを耳にしたのではないだろうか。現地の言葉で「Kinkkutemppu」というこのキャンペーンは、英語にすると「ハム・トリック」という魔法のような響きを持つ言葉になる。フィンランドのクリスマスは、大きな"クリスマス・ハム"の塊肉のローストがメイン料理として食卓にのぼるが、ハムを焼いた後の油が大量に捨てられていた。そこで同社は、その油を回収するためのボックスを国内のあちこちに設置して、集まった油からディーゼル燃料を作り出したというわけだ。

Nesteは、4万世帯から回収した総計1万2,000kgのハムの油から、1万リッターのディーゼル燃料を製造したという。これはライフサイクルにおける温室効果ガス排出量で換算した場合、石油系ディーゼルに比べて90%少ない。同社は、この分量を地球4周分の燃料に相当するとしているが、適切な運転の仕方と車両で計測すればさらに3周分が上乗せ可能であることを指摘し忘れているようだ。

捨ててしまっていた油を精製することでクリーンな燃料が供給できるだけでなく、排水口に流さないようにすることで廃水システムにも有益となる。というのも、肉から出た油は配管に蓄積することでよく知られており、下水が家屋や道路にあふれ出す原因になることもある。下水が雨水管や河川に流れ込めば、住人にとっても公衆衛生にとっても、非常に不便で高くつく問題となるだろう。そのため、フィンランドの水道事業協会は、今回のキャンペーンでNesteと提携したのだ。

結果として、ハム・トリックは成功を収めた。食品廃棄物を燃料に変え、よりクリーンな動力をクルマに提供し、再生可能エネルギーに関する人々の関心を高めたのだ。Nesteは、一般家庭から調達する油脂は商業的に実用可能ではないと認めているが、この状況は間もなく変化する可能性がある。結果的に、Nesteは同社が運営する給油所で再生可能ディーゼル燃料を販売し、1万4,500ユーロ(約180万円)を売り上げた。同社はこの売り上げを自分の懐に入れることなく、低所得層の家族を支援する団体「Hope」と、恵まれない青少年のためのスポーツプログラム「Icehearts」にそれぞれ寄付している。


By John Beltz Snyder
翻訳:日本映像翻訳アカデミー