LEXUS GS200t
「はたして2リッターエンジンで、レクサスGSの高級な走り味を担保することは可能なのか」
 レクサスGSに2リッターという排気量のエンジンが搭載されると聞いて、にわかに心配したのはそのことである。

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 時代は排気量を抑えたユニットをこぞって開発し、次々と投入している。いわゆるダウンサイジングと呼ぶ手法だ。
 狙いは環境性能への対応だ。排気量を抑えることで燃費性能を高める。排気量が少なくなったことで心配される出力に関しては、ターボチャージャーを合体させることで補う。もちろん直噴化などの細工は当然のこととして、燃費をかせぎ、環境性能を高める。そして動力性能も担保する。今もっともポピュラーな技術である。

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 もっとも、いくらターボチャージャーでトルクを補うと計算したところで、過給機には、レスポンスの悪化が付きまとう。それもごく低速域でそれは顕著だ。つまり、けっして軽量ではなく、しかも上質な走り味が求められるGSに、2リッターターボが有効なのか。心配したのはそれが理由なのだ。車両総重量が2トンに及ぶのに、はたして・・・、である。

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 レクサスGSに新たに搭載させることになった2リッターエンジンは直列4気筒である。動弁機構はDOHCであり、可変バルブタイミングであり、シリンダー内に直接ガソリンを吹き込む直接噴射機構である。そのユニットに、インタークーラーターボチャージャーが合体されるのだ。ターボはシングルだ。
 ボア×ストロークは86mm×86mmのスクエアタイプ。それによって、排気量からは想像すると驚くような出力を発揮する。最高出力は245ps/5800rpm、最大トルクは350Nm/16500rpm~4400rpm。組み合わさせるミッションは8速ATだ。
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 実際に走りはじめると、心配された絶対トルク不足を感じることなかった。穏やかな市街地の通行の流れに沿うようなパーシャル領域では、一瞬の遅れが気になることもあったが、それさえ目をつむれば排気量不足はまったくないのだ。

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 アクセルペダルを床まで踏み込めば、最大1バールの過給圧が排気量を意識させないトルクが発揮される。その感覚はターボならではの爽快感だ。右足の踏み込み量を上回ってトルクが湧き上がる。踏み込み過ぎたことに気づき、慌ててスロットルを閉じる場面すらあるほどである。

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 この感覚は、一度ターボを味わってしまうと病みつきになる。右足の動きで過給圧を自在にコントロールすることで、場面場面で必要なトルクを出し入れする可能なのは、まさにターボチャージャーの魅力である。


 例えばレクサスGS350に搭載されるV型6気筒の3.5リッターの、最大トルクは380Nmであり、スペック上は200tを上回る。だが、その380Nmの発生回転数は4800rpmである。極低回転域でのトルクではけっして見劣りしないのである。

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 むしろ、NAエンジンが回転の上昇に比例してトルクを抑揚させるのに対してターボチャージャーは、極低回転からピークトルクに達してからは、安定してフラットにそのピークを維持しつづける。尖った山の頂を論じるのではなく、裾野の広がりがあるトルク特性なのだ。つまり全域トルクフルとも言えるのである。ターボならではの特性を味わってしまうと離れられなくなるのはこのフィーリングのことだ。

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 唯一200tで寂しく感じたのは、直列4気筒であることだ。排気量が2リッターであることやターボチャージャーであることはあまり関係はないが、マルチシリンダーと比較してしまうと、音や振動の点でやや高級感に欠ける。

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 レクサスGSには4種類のパワーユニットが準備されている。ハイブリッド系は3.5リッターと2.5リッターの二種類、NAとしては3.5リッター、そして今回新たに加わった2リッターターボである。それぞれに個性があり魅力がある。そんなGSラインナップに、魅惑のターボフィールが加わったことを素直に喜びたい。

■レクサス 公式サイト
https://lexus.jp/


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