ルマンから撤退したアウディ、FIA世界ラリークロス選手権にワークス参戦
フォルクスワーゲン・グループのディーゼル・エンジン排出ガス不正問題によって、昨年10月にまた新たな犠牲者が出た。同グループ傘下のアウディが2016年シーズンをもってFIA世界耐久選手権(WEC)から撤退すると発表したのだ。これで同社は、過去18年間に13回の総合優勝と圧倒的な強さを見せたル・マン24時間レースの舞台からも去ることとなる。しかし我々は、アウディ・スポーツがフォーミュラEとドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)の両シリーズだけに活動の範囲をとどめるとは思えなかった。そして1月18日、アウディは2017年シーズンからFIA世界ラリークロス選手権(World RX)で既存チームのEKSにワークス・サポートを提供すると発表した。

EKSを立ち上げたマティアス・エクストロームは、これまでアウディのワークス・ドライバーとしてDTMに参戦し、2004年と2007年にはチャンピオンに輝いている。長年にわたり様々なラリーやツーリングカーのシリーズに出場したきたこのスウェーデン人ドライバーは、2010年にインフィニオン・レースウェイ(現ソノマ・レースウェイ)でNASCARスプリントカップのレースにも挑戦したことがある。EKSは2014年からWorld RXに参戦し、エクストロームが「アウディ S1 EKS RX クワトロ」をドライブ。チーム独力でも見事な成績を収めており、2016年にはドライバー部門とチーム部門でチャンピオンに輝いている。

とはいえ、エクストロームのチームが、メーカーの支援を受ける他のチームからチャンピオンの座を守るためには、プライベーターとしてできることに限界があるため、アウディ・スポーツが全面的なサポートを請け負うことになったわけだ。これでEKSは、アウディのモータースポーツ部門から車両開発のサポートも受けられることになる。なお、エクストロームはアウディのワークス・ドライバーとしてDTM参戦も継続するという。


By Alex Kierstein
翻訳:日本映像翻訳アカデミー