【北米国際オートショー2017】起亜、公約通りに市販化されたスポーツ・セダン「スティンガー」を発表
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起亜がスポーティな野心を表現した「GTコンセプト」を発表したのは2011年、つまり5年余り前のことだ。そして、今年の北米国際オートショー開幕前日に、同ブランドはこのコンセプトカーを市販化した「スティンガー」を発表した。起亜モーターズアメリカは「スティンガーは我々にとってドリーム・カーなのです」と言うが、刺激的なコンセプト・モデルとそれが大幅に薄められた市販モデルとの差に、エンスージアストは酔いが醒めたような気分だろう。それでも、この新型スティンガーは起亜の中では最もスポーティなクルマなのだ。



エクステリアに中型セダン「オプティマ」の要素が随所に見られることは事実であり、彼らが2014年に発表した「GT4スティンガー」コンセプトを量産化できなかったことは実に残念だが、それでも細部にはありきたりなセダンとは違う点があちらこちらに見て取れる。スティンガーのホイールベースはオプティマよりも4インチ(約10cm)長いが、全長は1インチ(約2.5cm)短い。起亜ブランドの顔として、前に張り出した幅広で細い「トラの鼻」のようなブラックメッシュのグリルが採用され、新型LEDヘッドライト、2つのベントを備えた新しいデザインのボンネットを装備する。また、サイドベントとサイドシルが車体の両サイドに刻むように設けられ、サイドミラーはAピラーではなくボディに取り付けられている。後部は、トランクリッドから縦長のLEDテールライト上部のスポイラーへと緩やかな曲線を描き、リアディフューザーには4本の楕円形テールパイプが収まる。


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車内においては、デュアルゾーン・デザインのダッシュボード中央部に設置されたインフォテインメント用"大型"カラー・タッチスクリーン、メタルのアクセントと赤い針が効果的な計器類とGフォースやラップタイムを表示する小型のカラーTFTディスプレイを備えるメーターパネルが特徴だ。また、ラグジュアリーな装備としては、ヘッドアップディスプレイや、15個のスピーカーとサブウーファー2基を備えたハーマン・カードン製720Wオーディオ・システム、ドライバーの体にフィットするエアーセル式クッションを装備した運転席シート等が挙げられる。ドライバーをアシストする様々なシステムもオプションとして用意されている。

米国におけるスティンガーの発売は2017年末となる見込みで、購入者は現在開発中のエンジン2種から選択が可能だ。ベース・モデルの2.0リッター直列4気筒ターボ・エンジンは最高出力255hp、最大トルク35.9kgmを発揮。上位モデルの「スティンガーGT」はジェネシス「G90」にも採用される3.3リッターV型6気筒ツインターボ・エンジンを搭載し、G90と同じ最高出力365hp、最大トルク51.9kgmを発揮するとされている。両モデルとも起亜「クオリス(韓国名:K9)」と共有の8速ATを介して後輪または4輪を駆動するが、遠心振り子式アブソーバーを搭載するスティンガーは振動が軽減、その点ではクオリスより優れていると言えるだろう。計画通りに進めば、GTは0-100km/hを5.1秒で加速、最高速度は270km/hに達するという。



2014年、起亜はBMW「Mディビジョン」の元エンジニアリング責任者であるアルバート・ビーアマン氏を迎え入れ、スティンガーの開発に力を入れている。ビーアマン氏のチームは同車の性能を最大限に発揮させるため、5種のドライビング・モード(パーソナル、エコ、スポーツ、コンフォート、スマート)が選択できるようにした。モードごとにステアリングの手応えや、スロットルとトランスミッションのマッピング、マクファーソン式フロント・サスペンションおよびマルチリンク式リア・サスペンションによるハンドリングも変化するという。標準モデルは18インチの225/45タイヤ、GTは19インチ・ホイールに前225/40、後255/35タイヤとブレンボ製ベンチレーテッド・ディスクブレーキを装備する。

ドライブトレインについては、純粋に運転を楽しみたい方には後輪駆動を、悪天候でも運転を楽しみたい方には4輪駆動がおすすめだ。4輪駆動にはブレーキで制御するトルクベクタリングシステムが、後輪駆動には電子制御式リミテッド・スリップ・ディファレンシャルが備わる。起亜によれば、販売価格は発売間近に発表されるということだ。


By Jonathon Ramsey
翻訳:日本映像翻訳アカデミー