【北米国際オートショー2017】ホンダ、子育て世代に最適な北米仕様の新型「オデッセイ」を発表
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ホンダは、長年愛されているミニバン「オデッセイ」の北米市場向け新型モデルを発表した。ターゲット層はデジタル機器に親しんでいる子育て世代だ。8人乗りで、家族全員が会話を楽しみやすく、容易なシートアレンジ、インターネット上の動画ストリーミングもできる。そんな新型オデッセイは今春発売となる。



もちろん、デザインもパワートレインも刷新されているのだが、もし小さな子供を持つ親なら、重要視するのはインテリアだろう。「キャビンウォッチ」機能ではダッシュボードに設置された8インチ高解像度タッチスクリーンを通して、前列座席にいながら後部座席が確認できる。「キャビントーク」機能はドライバーの声をスピーカーやヘッドフォンで拡張して乗員たちに伝えることができる(「サリー、叩いたらダメよ!」と注意できるのだ)。後部座席に設置されるエンターテインメント・システムは、10.2インチモニターが天井に設置されているので、車載のWiFiシステムや公共のインターネット接続、お手持ちのモバイル機器を用いて子ども向け教育メディア「PBSキッズ」や「スポティファイ」などをストリーミングすることができる。現行モデルには16.2インチの分割画面式モニターが設置されているが、ホンダによれば新型モデルではさらに高品質になっているとのことなので期待したい。

車載アプリも多彩だ。その名も「How Much Farther(どれだけ遠くに来たか)」は、長距離旅行の過程を示してくれる。他にも、エンターテインメント・システムや空調を調整したり、道順を携帯電話やナビに送信したりできるアプリが用意されている。また、8人それぞれの好みに合わせた音楽プレイリストを作成して、オーディオ・システムにアップロードできる機能もある。



ハードウェア面に関しては、ホンダはディズニー並みのマジックを仕込んできた。先代モデルには3列目シートを折り畳める「マジックシート」機能が搭載されているが、新型モデルでは2列目シートに「マジックスライド」機能を採用。これは、2列目の中央シートを取り外して両サイドのシートを横方向にスライドさせることができる。そのため、3列目にも乗り込みやすく、2列目の空間も広く取れるのだ。もちろん、妖精の粉は必要ない。

3列目も十分快適で、先月デトロイトで行われたプレビューイベントで我々も座ってみたが、平均的な体格の成人男性でも頭上や足元にある程度の空間が確保されていた。少なくとも、膝が胸に押し付けられることはないだろう。マジックスライドは、特に出入りの際に便利な機能だ。このように、新型オデッセイは非常にファミリー向けのクルマに仕上がった。開発主幹エンジニアを務めたアンドレア・マーティン氏は、「我々は第5世代のオデッセイの開発に際して、明確な方向性を持っていました」と語っている。


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一方、外観はオデッセイらしさが保たれている。トレードマークである稲妻のようなデザイン(子供たちには、ハリー・ポッターの額の傷みたいだと説明しておこう)も健在だ。全体的にはキャラクターラインが増え、グリルも新しくなったが、ホンダのデザインだということは間違えようがない。ルックスが進化しただけでなく、車体は各部の素材を見直し、高強度鋼やマグネシウム、アルミニウムなどをすることで、車両重量を最大96ポンド(約43.5kg)軽量化できた。新開発の電動パワーステアリングや新設計のリアサスペンションも採用されている。トランスミッションについても触れておくべきだろう。従来の6速ATから、9速または10速に多段化されたのだから。3.5リッター「i-VTEC」V6エンジンは、従来より32hp増しの最高出力280hpを発揮する。より静かで、よりパワフルになり、反応も良くなったとホンダは述べている。

第5世代では顧客の嗜好が残されたオデッセイだが、昨年の販売台数は5.4%減少して12万846台となっっている。比較すると、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の「パシフィカ」は約9ヶ月で6万2,366台、その先代モデル「タウン&カントリー」は5万9,071台を売上げ、クライスラー・ブランドは合計12万1,437台のミニバンを販売した。一方、長年愛されているダッジ「キャラバン」は、昨年12万7,678台が販売された。さらにFCAは昨年12月に「パシフィカ ハイブリッド」もラインナップに加えている。

競争の激しいこのセグメントに、ホンダは新たなオデッセイを投入する。ベビーブーマー時代は平均で子供2人、犬1.5匹と暮らすミニバンの全盛期だったが、当時ほど売れることはもうないだろう。他社はすでにこのセグメントでの売り上げ向上や利益をあきらめているのかもしれないが、ホンダ(とFCA)は、当時の子供たちが親の年齢へ成長した現代こそ、ミニバンに乗ることが恥や汚名だと思われたりはしないはずだと信じ、今も開発を続けている。となると、2017年はかなりの数の顧客がバンを望むことになるはずだ。オデッセイにとって過去最高の年になるかもしれない。



By Greg Migliore
翻訳:日本映像翻訳アカデミー