フォードトヨタは4日、スマートフォンとクルマをつなげ、車内でアプリを利用するためのオープンソース「スマートデバイスリンク(SDL)」を管理する非営利団体「スマートデバイスリンク コンソーシアム」の設立を発表した。2社の他にも富士重工業マツダスズキ、PSAグループ(プジョーシトロエン)が参画し、多数の企業、サプライヤー、アプリ開発者が協調することで、業界標準化を目指すという。

SDLとは、スマートフォンと車載情報機器を接続し、スマートフォン用アプリを、クルマに装備されたタッチスクリーンやステアリングに備わるスイッチ、マイクを使った音声認識システム等を通じて、車内で利用可能にするプラットフォーム。2013年にフォードが買収した米国ミシガン州に本拠を置くテクノロジー企業、リビオによって開発され、フォードの純正インフォテインメント機器で既に採用されている。トヨタは2011年8月にフォードと次世代テレマティクスの標準化に関する協業に合意し、ちょうど一年前のCESでは共同でSDLの仕様開発・運営を行うと発表していた。今回のコンソーシアム設立には、他の自動車メーカーやElektrobit、Luxoft、Xevoといったサプライヤーの参画も発表され、さらに車載機器の大手メーカーであるハーマン、パナソニック、パイオニア、QNXが覚書にサインしたという。

つまり、同様の機能を提供するシステムとして既に普及が進んでいるApple CarPlayGoogle Android Autoの採用に消極的(あるいは懐疑的)なメーカーが協力し合い、オープンソースであることを武器にこちらを標準化してしまおうという考えだ。そういえば自動車メーカー各社がこぞってCarPlayとAndroid Autoへの対応を進める中、トヨタは頑としてこれらに見向きもしなかった。ちなみ共同戦線を張るフォードの方は「SYNC 3」という現行車載システムで両者にも対応している。

例えば、Android Autoが車両のデータを収集していることを懸念したポルシェがその採用を見送ったように、自動車メーカーはAppleGoogleに自社のクルマの一部を開放することを快く思っていない。今回発表されたコンソーシアムは、テクノロジー界の巨人に挑む連合軍といった構図も思い浮かぶ。だが、ユーザーにとって大事なのは、どこが最も安全で信頼性が高く使いやすいシステムを提供してくれるかということ。競争が激しくなれば、それだけ(現在はまだ十分とは言えない)システムの進化や洗練に磨きが掛かることも期待できる。なお、トヨタでは2018年頃にSDLを用いた車載システムの商品化を予定しているという。