【ビデオ】これがロールス・ロイスの自然吸気V型12気筒エンジンが発する、消音されていない排気音!
ロールス・ロイスの中でも最上位モデル「ファントム」には、排気量6.75リッターの自然吸気V型12気筒エンジンが搭載されている。だが、同型のエンジンを積むイタリア製スーパーカー等とは少々異なり、この超高級車ブランドがV12を採用する一番の理由は、極上の滑らかな走りと回転フィールのためであることはご存じだろう。だから、跳ね馬猛牛のエンブレムを付けたV12エンジンが凄まじい咆哮で周囲を威圧するのに対し、英国の高級サルーンに搭載されたV12は主人の安穏を乱すことがなきよう、極力声を上げないように躾けられている。かつて「ロールス・ロイスの室内で聞こえるのは時計の音だけ」と表現された静粛性を、現在も受け継いでいるのだ。

しかし、ロールス・ロイスのエンジンだって、12本のシリンダーが爆発を繰り返し、膨大な排気ガスを空気中に放出しているのだから、その排気音がジェントルに聞こえるなら、それは優秀な排気管のサイレンサーによる働きが大きい。それでは、もし、このサイレンサーを取り外し、ロールス・ロイスのV12エンジンが発する"生の声"を聞いたら、一体どんな音色なのだろうか? 米国イリノイ州にある修理工場Fluid Motor Unionが公開した下の動画は、そんな疑問に答えてくれる。



この映像はファントムのパーキング・ブレーキを修理するために、エキゾースト・システムを取り外さなければならなかったときに撮影されたものだとか。ほぼ"直管状態"となったロールス・ロイスのV12エンジンが発する排気音を聞くことができる。とはいえ、ロールスの現行車に搭載されているエンジンは、有名なマーリンやグリフォンといったV12とはもちろん違い、実は現在ブランドを所有するドイツのBMW製。ひょっとしたらそのサウンドの中に、"シルキー・シックス"と呼ばれるBMWの直列6気筒、2基分の響きを感じ取る方もいらっしゃるかもしれない。ただし、Fluid Motor Unionによれば、このエンジンは触媒コンバーターがヘッダー・マニフォールドに組み込まれているため、この状態では本当の"原音"ではないそうだ。

ちなみにこのV12エンジンは、最高出力460ps/5,350rpmと最大トルク73.4kgm/3,500rpmを発生し、全長5.8m超の巨体を0-100km/hまで5.9秒で(ドライバーがその気にさえなれば)加速させる。価格は最もお手頃なショートホイールベース仕様で5,167万円。だが、すでにこのファントムは生産が終了しており、2018年に登場する次期型はハイブリッドになるとも噂されている。現行モデルでもファントム以外は同じ12気筒ながらツインターボなので、そういう意味でもこの動画は貴重だ。では、実際にファントムって乗るとどんな感じなのだろう、と興味を持たれた方は、モータージャーナリストの斉藤聡氏による試乗記をどうぞ。