【ビデオ】日産のエンジニア達が、30年前にパリ・ダカール・ラリーでクラス優勝した「パトロール」をレストア
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1986年、スペインにある日産テクニカルセンター・ヨーロッパ社(NTCE)のエンジニアたちは、ディーゼル・エンジンを搭載した日産「パトロール」(日本名:「サファリ」)のラリー用車を開発した。ボディに大きく"Fanta"のロゴが描かれたこのラリーカーは、1987年のパリ・ダカール・ラリーに出場し、総合9位でフィニッシュ。ディーゼル・エンジン搭載車として初めて総合トップ10入りを果たし、ディーゼル・エンジンが速く、効率的で、信頼できることを証明した。それ以降はスペインの博物館で30年近く放置されていたが、2014年にNTCEのエンジニア・チームがこのクルマを発見し、1987年のラリーから来年は30周年の節目を迎えることもあり、当時の輝かしい姿を取り戻そうと動き出した。

現在のダカール・ラリー用マシンはディーゼル・エンジンを搭載したオフロード仕様のモンスターばかりだ。しかし、30年前、パリ‐ダカール間を競い合っていた頃の出場車両はガソリン・エンジン搭載車が主流だった。ディーゼル車もあるにはあったが、確実に安定してガソリン車に食らいつける車両はほとんどなく、下位に沈んでいた。つまり、この日産パトロールは現代のダカール・ラリー用マシンの原型となるクルマなのだ。

エンジニア・チームが2014年に発見したパトロールは、とても走行できる状態ではなかった。それまでの長い間に錆びつき、エンジンも動かず、配線系統はネズミにかじり切られていた。チームはこのパトロールをNTCEに運び込み、ラリーに参戦した当時の状態にまで修復しようと、夜間や週末の時間を割いて作業を行った。欧州中の日産ディーラーから新品の旧式パーツを取り寄せ、場合によっては中古パーツを改修して使用した。2017年1月1日は1987年のレースから30年の節目となるため、それまでに完成させることを目標に作業は進められた。

2年以上の歳月を費やし、ついに今年の11月に修復が完了。パトロールはすぐさまアフリカのサハラ砂漠へ輸送され、1987年のレースの際と同じセットアップが施された。レストアされたパトロールは新車のような状態とは言えないが、車体に残っている傷やへこみは、勝利を目指して疾走したあの頃のままだ。

今回のプロジェクトはNTCEのエンジニアが就業時間外に取り組んだものだったが、費用は日産が請け負った。同社は企業理念に則り、規模は小さくとも情熱の溢れるこのようなプロジェクトのために、「パフォーマンス・イノベーション」用の予算を毎年準備している。




By Reese Counts
翻訳:日本映像翻訳アカデミー