マツダは15日、フルモデルチェンジした新型「CX-5」を発表。同日より受注を開始した。発売は2017年2月2日になる予定だ。

CX-5初となる今回のフルモデルチェンジでは、好評を博した先代からプラットフォームや基幹コンポーネントを受け継ぎつつ、デザインと技術を磨き上げ、全面的に進化/深化させるという方向性が採られた。マツダのエンジニアも「これといった飛び道具に頼るわけでなく(笑)、お客様からの要望や今まで自分たちでも不満に思っていたところを、できるだけ改善させた」と仰っていた。



高められた快適性

特にフォーカスされたのが、同乗者の快適性だ。マツダが掲げる「走る歓び」には、ドライバー以外の乗員が感じられる「歓び」も含まれなければならないという考えである。メカニカル面を担当するエンジニアの方が「自分たちで乗ってもちょっと酷いんじゃないかと思っていた」という後部座席は、リクライニング機構を採用した上で傾き角度を見直し、さらにシート内部のウレタンフォームや座面の形状も含め、前席と同レベルの"座り心地"になるように改善したという。

また、空力や部品の形状を最適化して騒音・振動の発生を抑えると共に、車内は遮音だけでなく音の反射を打ち消すなどの対策によって静粛性も高められた。これに関してはもちろんパワートレインの改良も重要であり、「SKYACTIV-D」ディーゼル・エンジンにはノック音を低減するマツダ独自の技術「ナチュラル・サウンド・スムーザー」と「ナチュラル・サウンド 周波数コントロール」が新たに採用されている。



前席の快適性については、人間が歩く時に自然に身体を傾けて目線が動かないようにバランスを取っていることをヒントに、シートバックに体圧を分散できるサスペンションマットを採用。高くワイドなセンターコンソールは、乗員の腰下をしっかりサポートする役目を担う。運転における快適性も引き上げられており、マツダが「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」と呼ぶヘッドアップ・ディスプレイは、これまでの車種では眼前に立ち上がる透明アクリル板に情報が表示されていたのに対し、新型CX-5では新たにフロント・ガラスに照射するタイプが採用された。他にもシフトノブの位置をステアリングからの持ち替えが楽になるように60mm高くしたり、視認性を高めるためにドアミラーを小型化してAピラーとの間の隙間を拡げるなど、細かな改善もなされている。



走りもさらに快適に

そしてドライバーにとってやはり本当に快適なのは、クルマが意のままに操れることに他なるまい。前述の通り、エンジンの基本設計に変わりはないが、ディーゼル・エンジンはアクセル操作によるトルクの応答をこれまで以上に綿密にコントロールすることで、「ゆっくり踏み込めばゆっくり加速、素早く踏み込めば素早く加速」するようにセッティングしたという。2.5リッター・ガソリン「SKYACTIV-G 2.5」エンジンは、上下非対称のオイルリングや、樽型のピストンスカートを採用するなどしてフリクションを低減させたそうだ。数字的なスペックに大きな変更は見られないが、前輪駆動用の2.5Lガソリンは最高出力が188psから190psに微増し、発生回転数も従来の5,700rpmから6,000rpmに上がっている。もう1つ、2.0リッター・ガソリン「SKYACTIV-G 2.0」エンジンも用意されるが、こちらは前輪駆動のみとなる。トランスミッションは全車6速ATが組み合わされる。

技術面の新機軸は、マツダが「SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS」と呼ぶ車両制御技術の第1弾として「G-ベクタリングコントロール」が採用されたこと。これはドライバーのステアリング操作に応じてエンジンの駆動トルクを変化させることで、最適な荷重移動を行い、ドライバーにとっては思い通りのスムーズな車両挙動を、同乗者にとっては横揺れを軽減した快適な乗り心地を実現するという技術だ。




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車両サイズはほぼ変わらず

車体のプラットフォームも基本は先代から受け継ぐが、各部の板厚を変えたり、超高張力鋼板の採用を拡大するなどによって、剛性や強度は向上しているという。サイズは全長4,545mm × 全幅1,840mm × 全高1,690mmと、先代よりルーフが15mm低くなった(最低地上高210mmは変わらず)。前後トレッドが10mm拡大されたが、全幅は変わらず。2,700mmのホイールベースと全長も先代と同じだ。ただし、車両重量は40kgほど増加し、JC08モード燃費も多くの仕様でわずかに落ちている。カタログ燃費の数字だけを追わずに、他の性能・質感を高めた結果と受け止めることも(好意的に考えれば)できるかもしれない。



進化した"魂動"

「魂動」と呼ばれるマツダのデザイン哲学をさらに発展させたエクステリアは、薄型ヘッドランプが先代との顕著な違いとして目を引く。その内部は全車ともLEDが標準だ。各種安全機能を装備した「PROACTIVE」モデルおよびさらに豪華な仕様の「L Package」では、ハイビームの照射範囲が自動制御される「アダプティブ・LED・ヘッドライト」となる。

デザインに合わせてカラーも進化した。お馴染みの「ソウルレッド」は、新たに「ソウルレッドクリスタルメタリック」と呼ばれる塗色が新開発され、従来より彩度が2割、深みが5割も増したという。ただし、特別塗装の追加料金もこれまでより約4割増しの7万5,600円となる。

車両価格は2.0リッター・ガソリンの「20S」が246万2,000円から、ディーゼルの4輪駆動で最上級仕様「XD L Package」の352万6,200円まで。先代と比べ、数万円から十数万円程度の値上げとなった。



全国6都市で先行展示

発表会場で内外装を見ただけでも、先代より各部の質感が増していることは確かに感じられた。乗るともっと違いが分かるはず、とマツダの方は仰る。その自信は月間販売台数の計画にも表れ、先代の発表当初は1,000台とされていたのに対し、新型ではいきなり2,400台という数字が掲げられた。販売店で試乗できるのはもう少し先になるが、いち早く実車をご覧になりたいという方は、現在展示中の東京(東京駅八重洲)を皮切りに、全国6都市でプロトタイプ車両の先行展示イベントが開催されるので、そちらに足を運ばれてはいかがだろうか。特に現行型オーナーの方(とそのご家族)は、ぜひ後部座席に座ってみていただきたい。


マツダ 公式サイト:CX-5
http://www.mazda.co.jp/cars/cx-5/