2016 SuperTaikyu Round.6
 なかなか上出来なシーズンだったと思う。だけど、それだけに悔しさが残った。人は無謀と言うけれど、勝つつもりで挑んで、勝てそうになって、でも勝てなかった。

2016 SuperTaikyu Round.6 2016 SuperTaikyu Round.6
 今年から我々キャロッセは、スーパー耐久ST4クラスへの挑戦をはじめた。すでに4年目となるワークスも、なかなか覇を手にすることができず苦戦しているカテゴリーである。そんな激戦のクラスに我々は挑んだのだ。


<スーパー耐久シリーズ2016 第3戦 鈴鹿サーキット>
 となれば、すぐさま勝てるわけもなく、苦戦するに決まっていると言うのが大方の予想だ。しかも、参戦決定が遅れたことで、開幕戦にはマシン製作が間に合わなかった。第2戦にはなんとか走れる状態に組み上がったが、戦闘力を担保する段階ではなく、ガソリンを入れれば走ると言う初期段階。続く第3戦までインターバルがなかったこともあり、それまでは下位に沈んでいた。

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 だが、第4戦からはポール争いを展開しはじめる。予選は2位だ。続く第5戦は予選3位。そして迎えた今季最終戦の大分オートポリス戦は、予選2位である。そう、夏休みを挟んだ第4戦目まで時間にチームはマシンを仕上げてくれた。それによって、ルーキーチームとしては驚異的な戦闘力を高めたのである。

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2016 SuperTaikyu Round.6
<スーパー耐久シリーズ2016 第4戦 富士 SUPER TEC>
 これまでを振り返ると、招聘した助っ人ドライバーの援護射撃も大きかった。大嶋和也には何度も助けを借りたし、富士9時間では国本雄資と橋本洋平とともにステアリングをにぎった。

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 最終戦も大嶋和也とコンビを組んだ。言わずと知れた大嶋和也はスーパーGT500のエース。国本雄資は、2017年スーパーフォーミュラーチャンピオンだ。橋本洋平も86/BRZで優勝をしている。レギュラーの山田英二と僕の足りない部分を、招聘したトップドライバーが埋めてくれたのである。

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 と言うわけで、最終戦はどうしても勝ちたかった。予選3番手から濡れた路面にスリックで挑んだ大嶋和也が独走を開始した。この段階では、まさに予定どおり。勝利がうっすらと脳裏をよぎった。

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 だが、大嶋和也から僕にドライバー交代するときにトラブルが発生、燃料ポンプ系の不具合が発生し始動に60秒のロス。修復してコースに復帰したものの大きく順位を落とす。再度ピットインして挽回を試みたものの、最終的には4番手でゴール。一旦は手の中に握りしめかけた優勝はおろか、表彰台も逃すことになった。残念である。


 スーパー耐久に86を走らせるのは、そう簡単なことではない。複雑な電子制御システムを抱えているために、機械仕掛けのマシンのようにシンプルには作動しないのだ。レース用のシステムとの協調も簡単ではなく、予期せぬトラブルが発生する。ワークスですら長々とトラブルに頭を悩まされているのがその証拠。そんな86を初年度から安定して走らせるのは、やはり簡単ではないと言うことである。

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 それでも、少なくとも予選タイムが証明するように、一発の速さを得ることには成功した。あとは耐久性だけである。それは日々改善を繰り返しているから、時間が解決してくれるだろう。

2016 SuperTaikyu Round.6
 ともあれ、何度も言うように、予選でトップを争えるマシンを、参戦わずかのルーキーチームが製作したことは自慢である。速く走れないマシンやドライバーはいつまでたっても勝つことはできない。だが、速いマシンとドライバーは、いずれ勝つことができる。レース界のそんな公式に当てはめると、我々には明るい希望があるといえよう。


 最終戦では表彰台を逃してしまったけれど、負け惜しみを含めて僕はこう思つた。

「デカい勝ちしか欲しくない」

 中途半端に表彰台の片隅にかじりつくくらいなら、いきなりの優勝が欲しい。そのためには4位で良かったと思っている。

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 未勝利のチームが翌年になっていきなりチャンピオンを獲得する。そんなデカい勝ちが欲しいのだ。

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 これまで支えてくださったスポンサーのマナ様、家族、仲間、チーム・・。そしてファンの皆様、これからしばらくシーズンオフですが、来年の「デカい勝ち」を楽しみにしていてください。

■キャロッセ 公式サイト
http://www.cusco.co.jp/motorsports/supertaikyu/