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燃費や二酸化炭素排出量に対する基準が厳しさを増す中、トヨタは12月6日、新型2.5リッター直列4気筒直噴エンジンとそれを応用した新しいハイブリッド・システム、そして8速と10速の新型トランスミッションを発表した。これらのコンポーネントは全て、トヨタによれば「いいクルマづくり」の構造改革「Toyota New Global Architecture(TNGA)」に基づいて開発され、2017年以降に「搭載車を一気に拡大していく」という。

TNGAは、マツダの「SKYACTIV TECHNOLOGY」と同様、単なるクリーンなエンジンや高効率エンジン以上のものを目指す徹底した設計思想である。TNGAプラットフォームが初めて採用されたクルマは、現行の4代目「プリウス」だ。トヨタはTNGAでハンドリング性能、動力性能、制動性能を向上させることに注力した。新型パワートレインは走行性能と環境性能の両面から、新しいプラットフォームを支えることになる。TNGAは前輪駆動、後輪駆動、4輪駆動のいずれの駆動方式にも適用できるので、多様な新型車のベースとなることが可能だ。

ハイブリッド技術の先導役といえるトヨタは、現行プリウスの開発から得られたノウハウを活かし、新しい後輪駆動用の「マルチステージハイブリッドシステム(THSⅡ)」を開発した。従来のシステムに比べて性能が向上しており、特に高速走行時のシステム効率が改善されているという。これに加え、プラグイン・ハイブリッドに使われるシステムも一新された。これまで単なる発電機として使用していたモーターが走行用にも使えるようになり、「力強いEVモード走行を実現」したという。

THSIIと同じように、新開発の自然吸気2.5リッター直列4気筒直噴エンジンも、TNGAプラットフォームに基づき、構造・構成から刷新されている。中でも注目すべき点は、エネルギーロスを徹底的に低減させ、エンジンの熱効率が向上したことだ。これによって燃費が改善されることはもちろん、出力やレスポンスも高められているという。この新型エンジンはガソリン車とハイブリッド車の両方に応用でき、ガソリン車用が最高出力151kW(205ps)/6,600rpmと最大トルク250Nm(25.5kgm)/4,800rpmを発生、ハイブリッド用はそれぞれ130kW(177ps)/5,700rpmと220Nm(22.4kgm)/3,600-5,200rpmとなっている。今後はトヨタおよびレクサスのラインアップへ搭載が拡大される見込みだ。



2種類のオートマチック・トランスミッションは8速がFF用、10速がFR用。従来型より小型軽量化され、低重心化と燃費改善に貢献するという。多段化により効率が上がっただけでなく、新開発のトルクコンバーターはロックアップ領域が拡大されており、ドライバーのアクセル操作に素早く反応する「ダイレクト感あふれる走り」が楽しめるそうだ。さらに10速ATは「FRプレミアム車にふさわしい"気持ち良い走り"を追求」したとのこと。もっとも、実際に運転してみるまで、どれほど改良されたかを語るのは難しいところだ。

トヨタは、2021年までの今後5年間で、新開発の2.5リッター直列4気筒直噴エンジンを含む9機種・17バリエーションのエンジンを投入する予定だという。TNGAは適応性の高いプラットフォームなので、共通のコンポーネンツを用いて展開するのも容易だろう。そして2021年には、日本、欧州、米国、中国で販売する車両の6割以上に新型プラットフォームの採用を拡大する計画だ。加えてトヨタは、今後は電気自動車の開発に力を入れることも発表している。


By Reese Counts
翻訳:日本映像翻訳アカデミー