ニコラ・モーター、水素燃料電池で駆動する新型セミトラック「ニコラ・ワン」を発表!
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「このトラックを市販すると約束します」

これは新興電気自動車メーカー、ニコラ・モーター・カンパニーの創業者であるトレバー・ミルトンCEOが、ゼロエミッションのセミトラックを盛大にお披露目したイベントの締めくくりに述べた言葉である。ユタ州ソルトレークシティーの中心部に近い工業地域で開催されたイベントで、ミルトン氏は新型トラック「ニコラ・ワン」を初公開し、同社が米国のトラック業界をいかに変革しようとしているかをより詳しく説明した。それらを示唆するビデオもいくつか披露されたが、要点を大まかにまとめると、米国にはトラックとトラック運転手が必要であるから、その車両と暮らしを向上させようというものだ。すなわち、より低いコストで、汚い空気を排出せず、より良いキャビンのトラックを実現することである。

低コスト化:ミルトン氏によれば、ニコラ・ワンの車重は従来のディーゼルトラックに比べて約900kgほど軽いという。車体の重量が減れば、その分、積荷を多くできる。つまり、より多くの荷物が運べるので、利益も上がるというわけだ。さらに、購入またはリースの金額(ニコラの公式サイトによれば、72ヶ月のリース料は月5,000~7,000ドル<約57万~80万円>)には、100万マイル(約161万km)分の水素燃料が含まれる。ドライバーは、ニコラが米国とカナダ南部の各地に建設を予定している364ヶ所の水素ステーションで水素を充填できるようになるという。ミルトン氏はこの点について詳細を語らなかったものの、事業を垂直統合するニコラでは水素を生産し、それを液化して、トラックで水素ステーションに運ぶと述べていた。1つの可能性としては、太陽エネルギーで水を電気分解して水素を得るという方法も考えられるが、まだ確かなことは分からない。

ゼロエミッション:トラックに搭載された水素燃料電池は、フレームレールに搭載する320kWhのリチウムイオン電池にエネルギーを供給して、電気モーターを駆動する。すなわち、水素燃料電池自動車を提唱する誰もが主張するように、テールパイプから排出されるのは水蒸気だけだ。また、ニコラ・ワンにはディーゼル・パワートレインがないので、オイル交換からディーゼル排気用流体の補充に至るまで、従来のセミトラックに必要なメンテナンスの大部分が不要となる。パワートレインは、最も大きな燃料タンクとバッテリーを選択すると最高出力1,000hp、最大トルク276.5kgm、航続距離は約1,930kmとなる。ミルトン氏はニコラ・ワンの燃費について6.5km/L相当になるだろうと語った。これは平均的なディーゼル式セミトレーラーの倍だ。

快適なキャビン:ニコラ・ワンは停車状態で排気ガスを出さないため、アイドリング禁止の法令に抵触することもない。リップ・ヴァン・ウィンクル並みの長い昼寝をしても十分な電力は保てるだろう。ニコラ・ワンの短いノーズ部分は、前方の路上が確認しやすく、ドアがキャブ側面の中央についているので、一般的なキャブと比べて乗り降りも容易になっている。また、乗用車と違ってセミトレーラーではほとんど見られないサラウンドビューなどの安全機能も搭載されており、細いフロントピラーによってパノラマに近い前方の視界を提供する。

現時点ではニコラは自社の製造施設を持っていないが、最初のトラックは2020年に発売される予定だ。そのため、ニコラはトラック・メーカーのフィッツジェラルド・グライダー・キッツ社と提携を結び、最初の5,000台のトラックを製造するという。2017年半ばには10億ドル(約1,140億円)を投じたニコラの製造工場が完成予定とのこと。施設が完成し稼働すれば年間5万台を製造できる見込みだ。ミルトン氏はニコラがすでに40億ドル(約4,560億円)分の先行予約を受注したと語ったが、実際にそれだけの金額を同社が回収したわけではない(その理由はこちら)。

今回の発表されたものはこれ以外にもあった。ニコラ・ワンの安価モデルで寝台が付いていないデイキャブの「ニコラ・ツー(Nikola Two)」と「ニコラ・シップメント(Nikola Shipment)」と呼ばれる先進の輸送スケジュール管理ソフトウェアだ。このソフトは、キャビンに設置された大型タッチスクリーンにドライバーが配送先を入力することで、多くの荷物のより効率的な輸送を実現するもの。更なる詳細については今後発表される予定だ。


By Sebastian Blanco
翻訳:日本映像翻訳アカデミー