サウジアラビアの王子、「女性もクルマの運転をする時期がきた」と発言
サウジアラビアは世界で唯一、女性が自動車を運転することが禁止されている国だ。これまでに、この強硬な法律に対して女性の権利を訴える人々が異議の申し立てをしてきたが、今や富豪で投資家としても有名なサウジアラビアの王子も抗議している。

同国のアルワリード・ビン・タラール王子は「議論はもうやめよう。女性が運転する時期がきた」と11月29日にツイート。アルワリード王子は公職には就いていないが、王族のためにいくつかの企業を経営している。衛星テレビ局のアルジャジーラによれば、王子は女性の権利向上についても熱心だという。また、アルワリード王子は自身のウェブサイトに「サウジアラビアの女性が自動車の運転を始める時期だ」という長文の声明を発表し、砂漠の王国における女性の権利向上を訴えている。王子は例として女性がクルマを運転することと女性が教育を受けることを比較し、女性の権利向上が国に悪影響を及ぼすという考えは間違っていると指摘した。

「女性の自動車の運転を阻むことは、教育を禁止したことや独立したアイデンティティーを持つことを認めないのと同じ問題だ。これらはすべて伝統的社会による不当行為であり、信仰の教えにより法律的に認められることよりもはるかに制限的だ」とアルワリード王子は述べている。

女性の自動車の運転を認めることは単に正しいというだけでなく、経済的にも効果があると王子は指摘している。アルワリード王子によれば、各家庭が女性のために男性の専用ドライバーを雇う費用は月1,000ドル(約11万円)にもなり、この分が節約できることになる。今年、サウジアラビアの家庭は原油価格の下落により困難を強いられており、秋にはこの国の景気を支える外国人労働者が給与の未払いが数か月間続いたために抗議活動が行われた。英国の一般紙『The Independent』によれば、9月には労働人口の70%を占める政府職員に対して緊縮政策の実施が開始されたという。サウジアラビアは1,000億ドル(約11兆円)の財政赤字を出した2015年のような悲惨な年にならないよう模索している。

サウジアラビアの女性たちは数年にわたり、運転の権利に向けて活発的に活動してきた。毎年10月26日には、不当な法律に対して異議を唱えるべく、女性たちが一斉にクルマを運転するキャンペーンを行っている。運転の練習には遊園地のバンパーカーを使用するそうだ。


By Erin Marquis
日本映像翻訳アカデミー