キャデラック、新型プロトタイプ・レースカー「DPi-V.R」で2017年から耐久レースに復帰
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キャデラックは来年1月、デイトナ・プロトタイプ・インターナショナル(Dpi)クラスの新型レースカーで、14年ぶりに世界屈指の耐久レースに復帰を果たす。IMSAの新たなDpi規定に基づくこのマシンの車体は、長く、低く、誰もが期待するキャデラックらしさも備えている。ロレックス・デイトナ24時間レースでデビューし、ライバルとなるマツダや日産のマシンとトップを競い合うことになる。米国で開催されるレースとしては、ここ数年で最も多様性に富み、エキサイティングなものになるだろう。

この新型マシンを走らせるのは、これまで「コルベット・デイトナ・プロトタイプ」で戦ってきたウェイン・テイラー・レーシング。ウェイン・テイラーは1996年と2005年にデイトナ24時間レースで優勝を果たしたドライバーだ。現在はレーシング・チームを運営し、2人の息子、リッキーとジョーダンにドライバーの座を譲っている。この2人と共にコクピットに乗り込むのは、2002年にウェイン・テイラーのチームメイトだったマックス・アンジェレーリだ。ちなみに、この2002年はキャデラックが最後に耐久レースに参戦した年で、振るわない結果に終わっている。

「DPi-V.R」と呼ばれるこの新たなキャデラックのマシンを理解するためには、IMSAのDpiクラスについて知る必要があるだろう。マニュファクチャラーは基本的に、ベースをFIA(国際自動車連盟)のLMP2規定で定められた4種類のシャシーから選ぶことができる。ダラーラ、オンローク・オートモーティブ、オレカ、そしてライリー・テクノロジーズとマルチマチックの共同プロジェクトの4種類からキャデラックが選んだのは、ダラーラのプラットフォームだ。Dpi規定には、LMP2と大きく異なる点が2つある。エンジンがワンメイクではない点と、ボディワークの一部が変更可能な点だ。わずかな費用でトップクラスのマシンに多様性を持たせることが、Dpi規定の狙いなのだ。

Cadillac Daytona Prototype International; Watkins Glen International; October 19-20, 2016 (Richard Prince/Cadillac Photo).

エンジンについては、同社は市販車から応用したいと考えた。その結果、現行型「CTS-V」のエンジンとアーキテクチャを一部共有する6.2リッターの自然吸気プッシュロッドV8エンジンを搭載することに決まった。最高出力は公式に発表されていないが、600hpほどになると思われる。ロードカーであるCTS-Vの640hpを下回るが、ダラーラ製シャシーを採用したレースカーの重量はわずか930kgとはるかに軽い。各チームが搭載するエンジンはそれぞれ型式が異なるため、何らかのリストリクターを装着してパワーの差異を調整することになるだろう。

ノーズ、サイドポッド、リアのホイールアーチやリアスカートなど変更可能なボディワークはすべて、キャデラックのロードカーに似せたデザインとなっている。ホイールに至っては、まるでCTS-Vのホイールをそのまま装着しているかのようだ。フロントスプリッター、フロアパネル、ディフューザーは他のDPi車両と共通のものを使用する。

ウェイン・テイラー・レーシングが事実上ファクトリー・チームとなるものの、DPi-V.Rを走らせるのはこのチームだけではない。昨シーズンのIMSA ウェザーテック・スポーツカー選手権で3勝を挙げたアクション・エクスプレス・レーシングも同車で参戦する予定だ。このチームもウェイン・テイラー・レーシング同様、以前はコルベットのプロトタイプで参戦していた。

DPi-V.Rは12月13日〜14日にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで実施されるIMSAの公式テストでトラック・デビューする予定だ。IMSA ウェザーテック・スポーツカー選手権の2017年シーズンは来年1月30日〜31日のロレックス デイトナ24時間レースで開幕する。


By Reese Counts
翻訳:日本映像翻訳アカデミー