アウディの月面探査ローバー、打ち上げを前に最終テストに臨む
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アウデは昨年9月、ドイツのPart-Time Scientists(パートタイム・サイエンティスト)と呼ばれるチームと共に月面探査ローバーの製作に取り組んでいると発表した。そして今回、ついに探査ローバー「ルナ・クワトロ」の開発が完了し、月に向かう前の最終テストを残すのみになったという。このプロジェクトには同社の16名のエンジニアが参加しており、安定性を高めるため探査車のタイヤと車体サイズを拡大したとのこと。にも関わらず、重量は38kgから30kgへ軽量化された。

その他の点は、実質的に去年までと変わらない。電気を動力とする4輪駆動で、これをアウディは自社の技術に準え「e-tron」と「クワトロ」と呼んでいる。その外観はユーモラスで、可愛らしいほどだ。前述の最終テストは中東で実施され、ミッションを想定したシミュレーションが行われる予定になっている。

ご存じない方のために説明を加えると、このミッションとはGoogleがスポンサーを務める民間の組織を対象とする人類初の月面探査レース「Google Lunar XPRIZE(グーグル・ルナ・エックスプライズ)」で設定されているもので、私費を投じて月面に上陸させた探査ローバーを着地点から500m以上走行させ、指定された高解像度の動画と静止画を地球に送信するまでの早さを競う。賞金総額は3,000万ドル(約34億円)で、ミッションを最も早く達成したチームには2,000万ドル(約23億円)が贈られる。

このミッションが成功すれば、探査車が撮影した「3Dで360度のパノラマ画像」が届くことになり、1972年にアポロ17号が月面に到着した際に使用し、現在も月面に放置されている探査車の様子が明らかになるだろう。なぜならコンテストで指定されている着地点は、このアポロ17号が到着した地点に程近い場所だからだ。

アウディが支援するパートタイム・サイエンティストのチームは、「ALINA(アリナ)」と呼ばれるランディング・モジュール(着陸船)に2台のルナ・クワトロを載せ、月面に到着させる予定だ。ALINAは米国シアトルの宇宙ビジネス企業「Spaceflight Industries」が2017年末に打ち上げを予定している。この企業は2013〜2015年に掛けて、他社との共同で11機のロケットの打ち上げに成功しており、エックスプライズに参加するイスラエルの企業「SpaceIL」も同社のもと、スペースXが開発したロケット「ファルコン9」で2017年に無人探査機を打ち上げる計画となっている。


By Joel Stocksdale
翻訳:日本映像翻訳アカデミー