ファラデー・フューチャー、米国ネバダ州の電気自動車生産工場建設を中断
米国の新興電気自動車メーカーであるファラデー・フューチャーが、ネバダ州の電気自動車(EV)工場の建設を中断したと、英国の経済紙『Financial Times』が報じている。これによって、予定していたEVの納車は遅延することになるだろう。ネバダ州の財務担当者であるダン・シュワルツ氏が『Financial Times』の取材に語ったところによると、中国の大手電子機器メーカー、LeEco社から支援を受けているファラデー・フューチャーには、エンジニアリング企業のエイコムに対して数百万ドルの未払いがあるという。工場建設は来年の前半に再開される見込みだが、まだ工事の初期段階にあるため、2017年中に自動車を生産する準備が整うことはないと思われる。

ファラデー・フューチャーが支払いを怠ったかどうかについて、エイコムはコメントせず、プロジェクトに力を注ぐとだけ述べ「ファラデー・フューチャーは2017年の前半に工事を再開するという計画のもと、一時的に日程の調整をしています」と語っている。

ファラデー・フューチャーはすでに、最高出力1,000hpという驚異的なパワーを発揮するコンセプト・モデル「FFZERO1」を発表している。しかし、もっと重要なモデルは、テスラのライバルとなる市販EVで、2017年1月に開催を控えた国際家電ショー「CES 2017」での公開が予定されている(以下のティーザー映像をご確認いただきたい)。



LeEco社の創設者で億万長者のチャ・ユエティンCEOは、ファラデー・フューチャーに出資すると同時に、また別のEV開発にも取り組んでいる。LeEco社自身が手掛ける自動運転EV「LeSEE」は中国で生産される予定だが、報道によると同氏はさらに米国でテスラのようなEVメーカー、アティエヴァ改めルーシッド・モーターズの支援も行うという。これらのクルマを製造するために、同氏はネバダの工場に10億ドル(約1,128億円)、中国の工場に18億ドル(約2,030億円)を投資。さらに最近LeEco社は、米国のテレビメーカーVIZIOを20億ドル(約2,257億円)で買収した。

しかし今年7月、前述のシュワルツ氏は、ファラデー・フューチャーの資金調達に対して警告を示した。ユエティンCEOが中国で30番目に裕福な実業家で、およそ63億ドル(約7,108億円)もの資産を持つ一方、同氏はLeEco社の株式の支援を受けてローンを組み、EVベンチャーの資金繰りをしていると言われている。また、LeEco社の利益は6月3日以来30%落ちている模様だ。「この先どうなるか分かるはずです」「彼のインターネット会社は成功していますが、彼が必要としている何十億ドルものお金を生み出しているわけではありません。彼はどこから資金を得ようとしているのでしょう?」とシュワルツ氏は金融情報サービス『Bloomberg』に語っている。

ユエティン氏は最近、LeEco社が事業を拡大し過ぎたことを認め、経費を削減する計画を発表した。また同氏は、新たに6億ドル(約677億円)の資金を確保したともされている。しかし、テスラ創業者の1人で元ルーシッド・モーターズのマーティン・エーベルハルト氏は、「LeEco社は前時代的な香港の会社のような経営をしています」と話し、同社による複数のEV戦略に疑問を呈している。

工場の建設を中断するほど資金繰りに苦しんでいるにも関わらず、ファラデー・フューチャーは、テスラBMWをはじめとする他の自動車メーカーから一流のEV開発者を誘致し続けている。また、同社は先日、韓国のLG化学と共同開発した"世界最高のエネルギー密度"を持つバッテリーを公開した。ある関係者は、CES2017で公開が予定されているファラデー・フューチャーの市販車のプロトタイプが好評を得られるかどうかが、今後の鍵を握っていると『Financial Times』に語っている。「市販車の発売までには時間がかかるでしょう。CESで成功しなければ全て終わりです」。

※注:この記事は米国版『Engadget』に掲載されたSteve Dent記者による記事を転載したもの。


By Engadget
翻訳:日本映像翻訳アカデミー