優勝が見えてきたぞ。そう感じさせるレースだった。


 スーパー耐久第5戦は岡山国際サーキットは、今年からチームを起こした我々クスコレーシングチームにとって4戦目。マシン製作が間に合わずに開幕戦を欠場したことで、実質的には4戦目となる。そう、わずか4戦目にしてトップ争いを演じられるレベルまで駆け上ってきたのだ。かなりの自慢である。


 スーパー耐久のST4クラスは、相当の激戦区である。エンジン排気量が2リッター以下のNAマシンが集結するこのクラスのトップランカーは、我々が走らせるトヨタ86を筆頭に、ホンダS2000のガチンコである。
 そこに伏兵ロードスターが加わる。ホンダ・シビックRやGRMNヴィッツターボという個性的なマシンもエントリーしているものの、実質的にはトヨタ86とホンダS2000の一騎打ちで覇権争いが展開されているのだ。


 しかもトヨタ86には、すでに参戦4年目のトヨタ・ガズー・レーシングが参戦している。つまりワークスである。資金力に優れているだけに、シリーズ優勝争いを展開しているのがこのチーム。そこに、そもそも自力で優るS2000が割って入るという構図。レベルがとても高いのである。
 しかも、である。ドライバーラインナップが豪華極まりない。ガスーレーシングは、スーパーGT300チャンピオンの松井孝允を起用、同じくスーパーGT300で優勝を記録している井口拓人と蒲生尚也という3名体制。豪華な布陣である。
 彼らとはニュルブルクリンク24時間でコンビを組んでいる。公私ともに遊ぶことの多い後輩たちである。彼らが高いスキルを備えていることは重々承知なだけに、手強い相手である。一方で、脇阪寿一や織戸学もトヨタ86をドライブしている。日本のトップドライバーがST4には集結しているのだ。


 何を隠そう我がチームも、負けず劣らず豪華なドライバーで固めている。レギュラーの山田英二は野生的なキャラで有名だ。人気実力とも高い。そればかりではなく、スーパーGT500でランキング2位の大嶋和也が助っ人。前回の富士ラウンドでは、2016年のスーパーフォーミュラー王者に輝いた国本雄資を起用。一番豪華なドライバーラインナップを敷いているのは、我々なのかもしれない。


 そんな華やかなチームでの挑戦4戦目。今回は山田英二と僕だけの2名体制で挑んだ。とはいえ戦力的な低下はない。それが証拠に、予選は3位を獲得。スタート後も、山田英二がトップを走るガスーレーシングの松井孝充のテールに迫り、サーキットを沸かせた。

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 今回の岡山ラウンドは300kmレースであり、途中に2回のピットストップが義務付けられている。2番手でピットインし僕に交代してコースに戻るとピットロスが響いて3番にドロップ。2回目のピットインでタイヤ交換を敢行。だがその時、タイヤが外れないというトラブルが発生。60秒ほどの致命的なタイムロスを残してしまった。コースに復帰すると12位まで後退していた。


 その後のベースはトップと遜色ないものだったが、タイムロスが響き、総合結果で下位に沈んでしまったのである。


 だが楽観的思考なのが我々のいいところだ。タラレバが醜いことは承知しているけれど、あえて言わせてもらえば、予選は優れたタイムを叩き出せることを確認しているし、決勝中のベースも悪くはない。


 新規チームゆえに戦略やピット作業にたどたどしさを残す。参戦4戦目のチームのノウハウ不足が原因なのだが、すでに対策は講じている。トップを狙えるレベルに達していることは事実だろう。
 次戦のオートポリスでは再び大嶋和也を起用する。そう簡単に勝たせてくれないレースではあるが、なんだか勝てそうな予感がしているのだ。まだ一度もノートラブルで完走してもいないし、表彰台にも立っていない。だけど、いきなり優勝できるのではないかと楽観視している。


 何事もポジティブシンキング。それが我々の最大の武器かもしれない。応援よろしくお願いします。