Volkswagen The Beetle Design
 カタログを眺めるのが、こんなに楽しいものだと感じたのは、いつの頃以来だろうか。小学生の頃、すでに病的にくるまが好きだった僕は、自転車で街道筋を走り回っては販売ティーラーに駆け込み、カタログをねだっては収集したものだ。

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 持ち帰ったカタログをひとり擦り切れるほど読み漁っては、買えもしないくるまに思いをはせていたのである。カラフルに色鮮やかなビートルのカタログを眺めていると、あの頃を思い出す。


 VWビートルがマイナーチェンジを敢行した。4年ぶりの意匠変えだという。出生から伝統的にカブトムシスタイルで生き長らえてきたビートルは未だに「そのスタイル」である。だから、目新しいも古臭いもなく、いつもそれはビートルでありビートル以外の何物でもない。

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 だから、今回のマイナーチェンジで前後のバンパーがちょっと意匠変えしたからといって劇的に印象が変わるものではない。それでもどこか新鮮な感覚を意識したのは意外だった。

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 新たな整理されたグレードは3仕様だ。その名の通り基本モデルとなる「ビートル・ベーシック」と「ビートル・デザイン」には、1.2リッターターボエンジンが搭載される。一方「The Beetle R-Line」はよりハイパワーな1.4リッター仕様である。

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 特徴的なことはカラーバリエーションが豊かになったことだ。 新色の「ストーンウオッシュドメタリック」と「ボトルグリーンメタリック」に加え、限定色で好評だった「サンドストーンイエローメタリック」と「ハバネロオレンジメタリック」が加わったという。ハバネロだとかストーンウオッシュドだとか、その名前から色味を想像するのも楽しい。

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 ボディカラーはインパネにも受け継がれているし、ドアパネルも同色で展開される。外観をながめてはニヤッとし、ステアリングを握っていてもワクワクするというわけだ。カタログがより一層華やかに見えたのは、こんなことが理由だったのである。

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 実際の走り味は、いかにもビートルらしくホノボノとしている。直接4気筒1.2リッターターボは、最高出力105ps/5000rpm、最大トルク17.8kg—m/1500rpm~4100rpmにとどまる。ターボという言葉の響きから想像するほど力強いわけではなく、ささやかに排気量の不足を補うタイプである。いわゆるダウンサイジングターボだ。

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 回転系の針が1500rpmに差し掛かったあたりからトルクはすでにビークに達する。その加速力がフラットのまま維持されるというスタイル。トルクに抑揚はないから回す喜びというよりも、スルスルと海岸線をクルーズするかのようなおだかやなドライブにふさわしいと思えた。飛ばして感動が得られるタイプの出力特性ではなく、あくまで爽快なドライブを影で支えるタイプのエンジンなのである。

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 組み合わせられるミッションは7速のDSG。機構的には、電光石火のシフトチェンジや俊敏なアクセルレスポンスも可能なはずだが、意外なほどにセッティングは穏やかである。アクセルワークに敏感に反応することもなく、のんびりと変速をこなす。鈍さにイラっとする場面もあった。ターボとの相性もあり、コーナリングを楽しむという味付けではなはないのだ。

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 新たに、ドライバー疲労検知システムが標準装備されたり、後方視覚検知機能や衝突軽減ブレーキがオプションで選べるようになった。そう、ビートルはギンギンになって走るというより、その色味にワクワクしながら、安全にゆったりとドライブするクルマなのである。だからビートルなのである。

■フォルクスワーゲン 公式サイト
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