2016年10月28~11月3日に東京ミッドタウンで、2016年度グッドデザイン賞受賞展が開催された。

グッドデザイン賞は、様々に展開される事象の中から「よいデザイン」を選び、顕彰することを通じ、私たちのくらしを、産業を、そして社会全体を、より豊かなものへと導くことを目的とした公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「総合的なデザインの推奨制度」だ。

昨年は、大賞に続く金賞に トヨタMIRAI(ミライ)」 が輝いたが果たして今年はどうだったのだろうか。ちなみに、受賞点数は、グッドデザイン大賞が1点、グッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)は19点となっている。

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今年、4輪車で唯一の金賞に輝いたのが、このトラクターのヤンマー「YT3」シリーズ。ピニンファリーナ社の元デザインディレクターで、フェラーリ「エンツォ」や「599」などのデザインを手掛けたケン・オクヤマこと奥山清行氏が手掛けた斬新なデザインが特徴だ。

審査委員の評価は以下の通り。

"所有する喜びや農業に対する誇りを感じさせたいとの想いで、農機具のデザインに新しい方向性を示した。

これまでとは一線を画す外形デザインが目を引くが、トラクタとしての基本性能の向上に加え、一体プレス工法により広い視界を確保したキャビン、操作時の負荷を軽減すべく全面的にレイアウトを見直した操作系の採用などにより、徹底して作業性の向上を図っていることも高く評価したい。

また、子供向け娯楽施設への出展など、ヤンマーは農業に対する新しいイメージづくりのための包括的な活動に取り組んでいるが、農業分野にデザイナーが積極的に関与していくことに対し、他ユニットの審査委員からの賛同が大きかったことも追記しておきたい。"


金賞に続く、100ベスト賞に輝いたのは、この2台。

偶然にもどちらも輸入車で、フォード傘下から、ジャガーはインドのタタ、ボルボは中国の浙江吉利控股集団に資本が移動したという共通点がある。

資本が変わっても、優れたデザインでブランドが継承されているということだろう。


ジャガーXF」は、新世代ジャガーの代表的なサルーン。最新鋭の技術をまとった新生ジャガー3兄弟(XE、XF、 F-PACE)の一つだ。

ジャガー初のアダプティブ・フルLEDヘッドライト、F-TYPEのデザインを継承したテールランプを採用、短いオーバーハングのダイナミックなクーペスタイルのデザインを強調している。

審査委員の評価は以下の通り。

"ドイツ車に席巻されている高級セダンマーケットのなか、独自の世界観を提供しているのがXFだ。一見すると「平凡なカタチ」に思えるが、2度、3度、あるいは1日、2日と見続けていくにつれ、どんどん魅力を増していく。

長いノーズ、短いオーバーハング、コンパクトなキャビン、大きなタイヤという黄金律をもつプロポーション、強大なパワーを暗示する張りのあるボンネットフード、美しいルーフライン、サイド面がデリケートな形状のリアピラーを経てリアエンドで収束する絶妙な流れなど、随所に純粋にして高度なデザインが見られる。

発売直後にして、早くもロングライフデザイン賞候補の香りすら漂う逸品だ。 "


もう1台は、スウェディッシュデザインを色濃く反映したボルボの7シーターSUV「XC90」だ。

ボルボならではの高い安全性は、世界初の2つの技術ともに、世界最高水準の全方位的な先進安全機能を標準装備している。

また、環境性能では、プラグインハイブリットモデルにより、高出力と燃費性能を両立。電気モーターのみで35.4kmの走行が可能。

なお、新型XC90は、全世界で60以上の賞を受賞しその実力が高く評価されているのだ。

審査委員の評価は以下の通り。

"シンプルなのに暖かみがある......北欧デザインの特徴を非常に洗練された手法で表現している。フロント、サイド、リアともにクリーンな造形であり、デザイン要素は決して多くはない。それでいて上質感を感じさせるのは、精密なボディワークと練りに練った面構成の為せる技だ。

上質な素材を高い精度で組み上げたインテリアはまさにスカンジナビアン・ラグジュアリー。ドイツ車とも日本車とも違う、クリーンでオーガニックな雰囲気は、すべての乗員に最高レベルの寛ぎを提供してくれる。SUVでありながら、ミニバンに匹敵する快適性を備えた3列目シートを実現しているのもXC90の魅力だ。"


ビックサイトで開催されていた時は、グッドデザイン賞の車両も展示されていたが、今回はパネルでの展示となっている。

なお、グッドデザイン賞を受賞した量産4輪車は、トヨタ「シエンタ」、「プリウス(PHEV)」、日産「セレナ」、ダイハツ「ムーヴキャンパス」、スズキ「イグニス」となっている。

受賞を逃したモデルもあると思われるので、受賞したモデルはいずれも素晴らしいデザインが評価されたと思うが、金賞に輸入車2台が食い込んだだけに、来年は国内メーカーモデルの入賞も期待したいところだ。

グッドデザイン賞 公式サイト
https://www.g-mark.org/