【ビデオ】ビールを積んだ自動運転トラック、190kmの距離を搬送することに成功
バドワイザーなどのビール・ブランドを保有する世界最大のビール醸造会社、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)は、既にビールの製造過程を自動化しているが、ついにビールの配送までも自動化しようとしている。

米国の一般紙『USA Today』によると、ABインベブは自動運転トラックの新興企業オットーと協力し、10月20日にバドワイザー2,000ケースを、米国コロラド州のフォート・コリンズからコロラド・スプリングスまで、運転席が無人のトラックで搬送することに成功した。120マイル(約190km)という走行距離は、1970年代の映画『トランザム7000』でビールを運んだテクサーカナからアトランタまでの距離には及ばないが、オットーの自動運転トラックは交通量の多いデンバー市街を抜け、風が強く山道の続く州間幹線道路25号線を、ドライバーなしで見事に走破したのだ。

とはいえ、ABインベブとオットーが自動運転トラックを走行させるまでには、かなりの苦労があったようだ。USA Todayによれば、コロラド州では自動運転車に関する法律がないため、両社の試みは事故の際の責任や法的な問題などを州と協議したうえで行われたという。このためコロラド州交通局が実際の走行までにオットーの自動運転システムの評価や承認において主導を握り、テスト走行にも同乗していた。

「安全性は、いまだ私たちの最大の懸念事項ですが、今回の実質的ドライバーはオットーの自動運転システムそのものだと思います。今回の結果が同社の技術を現実に適用するきっかけになってほしいです」と、コロラド州交通局のスポークスマンであるエイミー・フォード氏は同紙に語っている。

今回の共同事業は、オットーにとって2つの側面で利益を得ることになる。同社の自動運転システムの安全性が示されることに加え、自動運転トラックの輸送よる収益も大きく見込めるからだ。USA Todayが全米トラック輸送協会(ATA)の数値を引用して報じたところによると、トラック輸送における2015年の収益は7,260億ドル(約79兆円)だが、これは輸送業界の81%を占めるという。今回の走行が成功したことを踏まえ、 同社の共同創設者で元Googleのリオール・ロン氏は「オットーでは他の道路や天候でも対応できるかどうか、自動運転トラックのテストを続けていく」と述べている。




By Brandon Turkus
翻訳:日本映像翻訳アカデミー