フォルクスワーゲン、問題となったディーゼル・エンジン搭載車オーナーに改修ではなく金銭補償を提案
昨年9月に発覚したフォルクスワーゲン(VW)ディーゼル排出ガス問題については、欧州最大の自動車メーカーがこの問題を金銭だけで解決しようとしていると言う人もいるだろう。しかし少なくとも、サンフランシスコ連邦地方裁判所のある裁判官はそれでよしとする可能性が高まっている。なぜなら、金銭に代わる解決策が見つかりそうにないからだ。

自動車メディア『Automotive News』によると、サンフランシスコ連邦地裁のチャールズ・ブレイヤー判事は、VWが米国で総額約100億ドル(約1兆400万円)の和解金を支払うという和解案を承認するか否か、10月25日までに決めなければならない。VWは約47万5,000台の2.0リッター直列4気筒ディーゼル・エンジン搭載車を買い戻すことと共に、そのオーナーに5,100~1万ドル(約53万~104万円)程度の補償金を支払うことを提案している。VWの合計支払額は、1オーナー当たり2万ドル(約208万円)以上ということになるだろう。10月13日現在、35万人近くのVW車オーナーが、補償金を受け取るための登録を行っている。

不正の発覚したTDIエンジン搭載車のオーナーには、VWに車両を買い戻させるか、それとも改修させるかの選択肢が用意されるはずだった。しかし同社は米国環境保護庁(EPA)やカリフォルニア州大気資源局(CARB)を納得させられる改修方法をまだ示していないため、不正のあった全てのディーゼル車を買い戻すことになるだろうと、大手自動車雑誌『Road & Track』は報じている。加えて、同じく不正の発覚した3.0リッターV6ディーゼル・エンジンを搭載するVW、アウディポルシェが米国には合計8万5,000台あるが、それらのオーナーにどう対応するかについてVWはこれまでのところ何ら解決策を示していない。なお、ブレイヤー判事はVWに対して、600以上に及ぶ米国のVWフランチャイズ販売店との和解案を予備承認しており、同社は約12億ドル(約1,247億円)の和解金を支払うことになっている。

昨年、VWが排出ガス試験でエンジンに不正な動作を起こさせるソフトウェアをディーゼル車に搭載していたことが発覚し、同社は今年6月下旬、米国およびカリフォルニア州規制当局と予備的和解に達した。同案では、VWの支払額は最大147億ドル(約1.5兆円)と見積もられていた


By Danny King
翻訳:日本映像翻訳アカデミー