安価で装備充実していた1992年型ダッジ「シャドウ アメリカ」を廃車置場で発見
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今を遡ること四半世紀、安価なマイカーを求める米国人の多くが選んだクルマは、みすぼらしいほど必要最低限の装備しかないがエンジンの信頼性は高いトヨタ「ターセル」や、あるいは機能満載でも信頼性に問題のあるヒュンダイ「エクセル」といったクルマだった。そんな中で、"オムニライズン"(ダッジ「オムニ」とプリムス「ホライズン」をかけ合わせた通称)という旧態化した小型車用プラットフォームの製造を中止したばかりだったクライスラーは、ダッジ「シャドウ」とその兄弟車プリムス「サンダンス」を大型化&パワーアップし、価格に対して装備を充実させた「シャドウ アメリカ」と「サンダンス アメリカ」を投入した。これらのクルマは、とことんまで乗りつぶされた後、10年ほど前にはほぼ全車両がスクラップにされてしまい、近年目撃するのは非常にまれだ。しかし筆者は先日、米国カリフォルニア州北部にあるセルフサービス式のジャンクヤードで、1台のシャドウ アメリカを見付けた。



フロントガラスに貼られたステッカーによれば、このシャドウ アメリカは保険会社がオークションに出品したもの(おそらく、損害額200ドル=約2万円程度の軽い衝突事故による全損扱い)で、廃車となった時点ではまだ走行可能だった。しかし、24年落ちのエコノミーカーが辿る運命は、このように朽ち果てていくのを待つばかりだ。



ダッジ シャドウは、1980年代初期にクライスラー社が開発したコンパクトFF車のプラットフォーム「Kカー」から数多く派生した「Pボディ」と呼ばれるモデルの1つで、シャドウ アメリカには、ダッジの「キャラバン」や「デイトナ」、クライスラーの「ニューヨーカー」や「レーザー」など、何百万台ものクルマの動力源として使われた2.2リッター直列4気筒エンジンが搭載されていた。ライバル車よりトルクが大きく、しかも1992年に販売された低価格車には多く見られる、あの腹立たしい自動装着シートベルトの代わりに、運転席用エアバッグが装備されていたのだ。



もちろん、ペイントは数年で剥がれてしまうことも少なくなかったし、製造品質には当たり外れがあったかもしれない。しかし、トヨタ「ターセルEZ」やスバル「ジャスティ」などのクルマより、ずっと快適に運転できた。

ちなみに、シャドウ アメリカとサンダンス アメリカのテレビCMでは、「The perfect cars for an imperfect world!」(不完全な世界に完全無欠なクルマを!)というフレーズが使われていた。




By Murilee Martin
翻訳:日本映像翻訳アカデミー