「テスラの事業拡大とベンチャー企業の買収は、財政危機を引き起こす可能性がある」とアナリストが指摘
テスラモーターズは現在、新型車の製造開始に向けた大幅な生産規模の拡大と同時に、太陽光発電ベンチャーのソーラーシティを買収することも計画している。しかし、ニュース専門放送局CNBCによると、米国の大手投資銀行オッペンハイマー・ホールディングスのアナリストであるコリン・ラッシュ氏が、この計画はかなり深刻な財政危機を引き起こす可能性があると予測しているという。このことは、全力で未来に向かって走り続けているテスラのイーロン・マスクCEOには教えない方がよさそうだ。

ラッシュ氏は、テスラが2018年末までに125億ドル(約1兆3,000億円)を調達する必要があると見ている。これほどの大金を必要とする理由は、ホームバッテリー「パワーウォール」を製作する同社のエネルギー貯蔵事業部門とソーラーシティを統合しようとしているからだ。ソーラーシティの純損失は、6月末時点で5億3,340万ドル(約555億8,600万円)と、歳入3億840万ドル(約321億4,000万円)を上回った。なお、ラッシュ氏はソーラーシティの株式評価を「ニュートラル」と格付けしている。

一方、金融情報サービス『Bloomberg』によると、ロバート・W・ベアードのアナリストであるベン・カロ氏は、テスラは2017年半ばまでに、債務または株式のいずれかにより15億ドル(約1,563億円)の資金注入が必要になるだろうと分析している。また、来年開始される「モデル3」の発売やネバダ州にあるテスラの巨大リチウムイオンバッテリー工場「ギガファクトリー」に必要な資金は、さらに多い25億ドル(約2,605億円)になると予測するアナリストもいるようだ。しかし、同社の6月末時点における現金保有額は32億5,000万ドル(約3,387億円)に増加していることから、マスク氏はアナリストたちの予測を認めず、同社には今年末まで資金調達の必要はないだろうと今月9日にツイートしている


テスラとソーラーシティが、第4期に株式か企業債務により資金を集める必要があるという予想は間違いだ。どちらもその必要はない。

実際、テスラは生産計画を文字通り"倍増"する可能性さえあるのだ。米紙『Los Angeles Times』によれば、同社はカリフォルニア州サンフランシスコ・ベイエリアにあるフリーモント工場を現在の敷地面積の2倍に当たる900万平方フィート(約84万平方メートル)以上に拡大したいと考えており、同地域の都市計画委員会への届け出も既に済ませているという。かつてはゼネラルモーターズが運営していた同工場では、現在6,000人以上の従業員が働いているが、計画が承認されればその数も倍に増やすつもりのようだ。

テスラは今年の始め、年間50万台という生産目標の達成時期を2020年から2018年に早めた。同社は8月1日、およそ26億ドル(約2,635億円)でソーラーシティを買収することに合意。同月の後半には連邦取引委員会(FTC)から契約の承認を受けている。いつも全力の男は仕事が早い。


By Danny King
翻訳:日本映像翻訳アカデミ