かつて一世を風靡した1972年型メルセデス・ベンツ「350 SL」を廃車置場で発見
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1972年から1989年まで、長きに渡り生産されたメルセデス・ベンツのR107型「SL」クラスは、北米市場でかなりの台数が売れ、現在も路上を走っている姿をよく見かける。オリジナルや綺麗にレストアされた初期型モデルは結構な値段で取り引きされるが、状態が悪くなってしまったものはそうはいかない。旧いSLは修復費用はおろか日常のメンテナンスにかかるコストも相当なので、多くの場合は巨大廃車置場の輸入車セクションで、大宇「レガンツァ」やフォルクスワーゲン「ジェッタ」などと並んで打ち捨てられるという末路を辿っている。筆者が米国コロラド州デンバーの廃車置場で発見した1972年型の「350 SL」は、まあまあの状態を保っている方だった。



コロラド州に現存する44年前に製造されたクルマの車内といえば、大抵の場合はひび割れていたり、はがれていたり、全体的に日焼けして色あせていたりするものだ。しかし、メルセデス・ベンツは業界トップクラスの丈夫なインテリア素材を開発しており、1970年代に製造されたメルセデス車のほとんどが、他の部分は長い年月を経て傷んでいてもシートの状態は良い。



このクルマは、3,597ポンド(約1,630㎏)の車重が必要とする、最高出力190hpの洗練されたV型8気筒OHCエンジンを搭載していた。当時の新車価格は1万540ドルで、現在の貨幣価値に換算すると6万ドル(約630万円)を超える。7,360ドルだったキャデラック「フリートウッド・エルドラド」よりもずっと高価だった。



車体にサビは見られず、部品目当てに廃車置場にやって来た客が、まだ使える部品を見つけて狂喜乱舞しながらあちこちから引っこ抜いていくまでは、インテリアもなかなかの状態だったと思われる。この時代のSLは、まだリーズナブルな金額で実走可能な状態のクルマを入手することもできるが、維持費が非常に高くなる傾向があることは覚えておいてほしい。


By Murilee Martin
翻訳:日本映像翻訳アカデミー