ドイツ、2030年までに内燃エンジンを搭載したクルマの販売禁止を要求
金銭的インセンティブによって無公害車の時代へ移行を進めようとしていたドイツだが、それで満足しているわけではなかった。予てから予想されていた通り、ドイツ連邦参議院は、2030年までに内燃エンジンを搭載した新車の販売禁止を求める決議を可決した。これにより、ドイツでは2030年以降、新車を買おうと思ったら電気自動車(EV)または水素燃料電池車、いずれかのゼロ・エミッション・ビークル(ZEV=排気ガスを出さないクルマ)しか選択肢がなくなる。これは法的拘束力のあるものではないが、ドイツは欧州委員会(EC)に対して、この禁止案を欧州連合(EU)全体で実施するよう求めている。ドイツの規定がEUの方針を定める傾向にあるので、この要求が受け入れられる可能性が高い。

ドイツはまた、EU税政とそれが"無公害車の活性化"に与える影響を見直すようECに求めているが、それが何を意味するのか定かではない。提案には、ZEVを購入するとより手厚い優遇税制が受けられるとか、EU諸国で減税対象からディーゼル車が除外される、と言った内容が盛り込まれる可能性が高い。各自動車メーカーはすでに、より厳格な排ガス基準がディーゼル車を葬り去ることになるのではないかと危惧している。減税廃止によって維持費が、厳しい排ガス対策によって車両価格が高騰すれば、ディーゼル車の絶滅は加速するだけだからだ。

しかし、一般市民が必ずしも困るわけではないようだ。米国の経済誌『Forbes』によると、欧州の自動車市場では主力であるディーゼル車の8月の登録台数が、多数のEU諸国で激減したという。ここにきて、フォルクスワーゲンの排ガス不正問題がディーゼル車の売り上げに後遺症を残しているようだ。ZEV購入者へのさらなる金銭的インセンティブと、今回提案された内燃エンジン車の販売禁止を結び付けて考えると、欧州の人達が次にクルマを購入する際、EVまたは水素燃料電池自動車を選ぶようになるまでにはそう時間はかからないかもしれない。


注:この記事は、米国版『Engadget』に掲載されたJon Fingas記者の記事を転載したもの。

By Engadget
翻訳:日本映像翻訳アカデミー