マン島でクラス3位入賞したインドのTork社が、20万円で買える電動オートバイ「Tork T6X」を発表
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インドのTork Motorcycles社が発表した「Tork T6X」は、単に新しい電動オートバイが登場したというだけではない。この地球上で2番目に人口の多い国が、より健康で持続可能な未来を迎えるために、重要な役割を担っていると言えるだろう。大げさな言い方だと思うかもしれないが、続きを読んでいただきたい。

2009年、インド西部のプネでKapil Shelke氏が率いる工学部の学生とTorkのチーム・メンバーがタッグを組んで電動オートバイを開発し、そのオートバイでマン島のマウンテン・コースでは初開催となる電動バイクレース、TTXGPに参戦した。当初の目標は、共同で作り上げたこのオートバイで表彰台に上がれたらいい、という控え目なものだったが、実際クラス3位に入賞し、その目標を見事に達成している。それから7年の間に、電動オートバイという、とりわけインド市場のニーズに合った分野で、レースの実績を積み上げてきた。

Tork社が今回発表したT6Xは、インドの混雑した大都市という環境にマッチしたパフォーマンスを誇る。巡航速度は100km/h、そして航続距離は100km。バッテリーは1時間で80%の充電が可能だ。マシンには様々なハイテク技術も盛り込まれている。TIROS(Tork Intuitive Response Operating System)という独自のシステムは、クラウドで常に最新のバージョンにアップデートされ、ライダーの走り方やパフォーマンスを分析して、ミニマルな作りのダッシュボードに設置された4.3インチのタッチスクリーンにそのデータを表示する。さらにユーザーは、アプリからクラウドを介してバイクの性能パラメーターを調整することもできる。また、現代の多くの乗用車と同じようにナビゲーション機能も搭載しており、携帯電話が繋げる端子も付いている。

そして何よりこのバイクのすごいところは、その価格だ。Torkの公式サイトで受付中の予約販売価格は124,999ルピー(約20万円)。一人当たりの年間所得が93,293ルピー(約15万円)である国ではまだまだ手頃とは言い難いが、それでも都市部に住む多くの高額所得者たちにとっては十分に手が届く価格であり、その他の国民にとっても"憧れのライフスタイル"の範囲内だろう。

インドでは、2030年までに全ての個人用移動手段を電動化するという大きな目標を掲げている。この点において、見た目もスタイリッシュなTorkのT6Xは重要な役割を果たすに違いない。前述のとおり、国際レースで3位に輝いた経歴を持つブランドにもかかわらず、予約注文は控えめにもプネとバンガロール、デリーからのみ受付を開始したのだが、その売上や成功の実績は、自社だけでなく他社にも影響を与えるだろう。すでに存在を確立しているインドの国内ブランド、ヒーローやバジャージもその結果次第では同じ分野に参入し切磋琢磨を始めるかもしれない。

彼らの成功を心から祈る一方、この価格帯なら他国に輸出しても大歓迎されるだろうとの思いもある。これからも、彼らが会社としてどのように発展していくのか、そして願わくば世界を変えるようなブランドに成長していく様を見守っていきたい。




By Domenick Yoney
翻訳:日本映像翻訳アカデミー