【パリモーターショー2016】メルセデスAMG、F1用エンジンを搭載した公道走行可能なハイパーカーを開発中
メルセデス・ベンツの高性能車開発部門であるAMGが、「メルセデスAMG GT R」やデビューしたばかりの「メルセデスAMG GT C ロードスター」といった既存のGTスーパーカーより、さらに上を行くクルマを計画していることが分かった。パリ・モーターショー開幕前夜に行われた記者会見で、AMGがハイパーカーを製作して自動車業界の最も過激なセグメントに参入すると電撃的に宣言したのだ。そしてAutoblog米国版では、同車の価格や発表時期について独占情報を入手した。

そのハイパーカーは、先日発表されたアストンマーティン「AM-RB 001」と同様、公道走行可能なF1マシンに極めて近いものになるという。F1用をベースとした1.6リッターV6ターボ・エンジンと、高速放電の電動ハイブリッド・システムを搭載し、駆動方式は後輪駆動。最高出力も、現在のF1パワー・ユニットと同程度の1,000馬力程度になると予想される。

メルセデスAMGのトビアス・ムアースCEOにインタビューした中で、我々はこの究極モデルについて具体的な手掛かりをいくつか得ることができた。まずは発表時期。ムアース氏によれば、それは「2年後」で、最初の納車は「2018年後半または2019年」になりそうだという。同氏は速度に関する数値や目標は明かさなかったものの、「それを追求するつもりはない」と述べている。ムアース氏は、このハイパーカーが"合法的に公道走行可能なF1マシン"になるとほのめかしたが、最高速度の競い合いに加わることは考えていないようだ。運動性能と熱工学を突き詰めたクルマに、トップスピードまで求めるのは行き過ぎということなのだろう。

「これは非常に大胆なプロジェクトであり、どのような仕組みにするか、そしてどうしたら実現できるかを導き出すのにしばらく時間がかかった」と語るムアース氏は、このAMGのハイパーカーが他のモデルとプラットフォームを共有せず、「全てが専用設計の、全く新しいクルマ」になることも明かした。

さらにムアース氏は、このクルマは信頼性が高く、繊細に取り扱わなければならないコレクターカーではないと強調する。「F1エンジンの寿命を深く分析し、公道仕様車のエンジンの寿命と重ね合わせると、それほど変わらないことが分かる。確かにF1エンジンが寿命を迎えるまでに受けるストレスは、特に公道仕様車のエンジンが受けるストレスに比べるとかなり大きい。いくつか細かい点で変更が必要になるが、その違いは人々が想像するより小さいだろう」と同氏は語った。

エンジンの回転数はF1で見られる1万5,000回転とはいかないが、「それでも1万回転を越えて、公道仕様車でも1万1,000回転近くになるだろう」とムアース氏は言う。これは驚くべき数値だ。また、このハイパーカーにはF1では禁止されているアクティブ・エアロダイナミクスなどのテクノロジーも搭載されるという。

現在販売されているAMGのトップ・モデル「GT R」と、アファルターバッハで生み出される未来のハイパーカーの価格にはかなりの開きがあるだろうが、ムアース氏はそれら2つの間に位置するモデルは開発していないと断言した。

その価格はブガッティ「シロン」アストンマーティン「AM-RB001」のように、数百万ドルという金額になるのかとムアース氏に尋ねてみたところ、「それら(シロンやAM-RB001)よりは、やや低い」としながらも、この究極のハイパーカーは「200万ドル(約2億円)か、それを少し下回るくらいだろう」との回答を得た。最終的な価格がはっきり決まるまでには、まだ時間がかかるとのこと。だが、このクルマの開発を発表するタイミングは今が最適だったと語り、「このクルマはAMGの未来を切り開く。そして、パフォーマンスカーやハイパーカーの未来を決めるのは我々だ」と続けた。

本記事はMichael Taylor記者により提供された追加資料により作成したもの。


By Matthew Askari
翻訳:日本映像翻訳アカデミー