【パリモーターショー2016】トヨタ、自動運転車を市場投入するには「142億kmの走行テストが必要」と語る
まだまだ取り組まなければならない問題が山積している自動運転車の開発。トヨタでは、乗員への安全対策をはじめ、クルマからドライバー、またその逆に操縦を切り替える方法などに力を入れており、自動運転車を市場に投入するまでさらなるテストが必要だと認識している。トヨタによれば、事故の起こらない完全自動運転車を消費者に届けるまでには、最低でも142億kmもの走行テストが必要だという。安全のためとはいえ、気の遠くなるような数字だ。

9月29日から開催されているパリ・モーターショーで、トヨタの豊田章男社長は今後の方針についていくつか発表している。自動運転車の安全性における目標のほか、マイクロソフト(先日ルノー・日産アライアンスと提携を発表したばかり)が、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)におけるTOYOTA GAZOO Racingの「テクノロジー・パートナー」として参画することで基本的合意に達したことも発表された。マイクロソフトは走行中のデータ分析プラットフォームと情報共有システムの開発を手掛けるという。さらにトヨタは、身体が不自由な人やお年寄りなど、普段はクルマの運転をしない人たちにとって、自動運転車は将来大きな支援となるだろうと強調した。

トヨタでは、クルマが自動運転することを「ショーファー(運転手)・モード」と呼んでおり、この同社の自動運転に対する概念は興味深い。豊田社長は自社広告のスローガンにもなっている「FUN TO DRIVE」な(運転が楽しい)クルマを作ることに全力を注いでいるとアピールしており、(楽しいばかりで良いというわけではないが、それはまた別の機会にお話しすることにして)「運転するのが楽しくないクルマなど、一体何の意味があるのか?」とまで語っている。ひとたび142億kmのテスト走行が終わり、すべてが安全だと立証されれば、この「FUN TO DRIVE」こそが、トヨタの自動運転車が成し遂げるべきテーマとなることだろう。


By David Gluckman
翻訳:日本映像翻訳アカデミー