BMWジャパンは27日、バッテリー容量が従来に比べ1.5倍に拡大された電気自動車「i3」を発表した。ベース価格は499万円からと据え置きのまま、10月1日より発売される。

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BMWによれば、i3の床下に搭載されたリチウムイオン・バッテリーは、エネルギー密度を高めることで、バッテリーパック自体のサイズを変えることなく、容量をこれまでの21.8kWhから33.2kWhにアップさせたという。容量の数字だけを見れば1.5倍だが、JC08モードによる一充電あたりの航続距離は、これまでの229kmから390kmへと70%も向上した。車両重量は1,260kgから1,300kgに少しだけ重くなっている。



欧州では、従来型のバッテリーを積むタイプと新しい大容量タイプが併売されているが、日本では一部装備を見直すことでベース・グレードの価格を据え置き、新型のみの販売となる。具体的には、衝突回避・被害軽減ブレーキやアクティブ・クルーズ・コントロール、前車接近警告機能がセットになった「ドライビング・アシスト・プラス」と、リヤ・ビュー・カメラ、パーキング・ディスタンス・コントロールなどが含まれる「パーキング・サポート・パッケージ」がベース・グレードの標準装備から外され、これまでにもオプションとして設定されていたLEDヘッドライト(下の写真左)、155/70から175/60に太くなる後輪と「タービン・スタイリング428」アロイ・ホイール(下の写真右)もセットで「プラス・パッケージ」(43万円)として提供されることになった。




インテリアや装備では、従来は標準仕様の「LOFT」に、レザー内装や前席シートヒーターが装備される「SUITE」がオプションとして用意されるという展開だったが、今回から新たに3タイプのブレードが設定されることになった。

ベース・グレードの「ATELIER」(上の写真)は前述のように499万円で、シート表皮はグレーのクロス、ダッシュボードにマットシルバーのトリムと、ステアリングやシートに青でアクセントが入る。

そのオプションとして用意される「プラス・パッケージ」の装備が全て標準(ただしホイールのデザインは異なる)となる「LODGE」は明るい色調の内装が特徴で、ダッシュボードにユーカリウッドが貼られ、シート表皮もウールクロスとレザーのコンビとなる。価格は545万円と、ATELIERにプラス・パッケージを付けるより3万円だけ高い。これが実質的には内装のアップグレード代となるわけだ。500万円を超えるクルマを買う人が3万円の差額を気にするとは思えないが、BMWジャパンの方によれば、金額よりも汚れが目立ちにくいということでこちらの内装を選ぶ顧客も少なくないはずとのこと。

そして最上級グレードの「SUITE」(下の写真)はこれまでどおり、シートやドアパネル、ダッシュボードにも「自然に落下したオリーブ葉の抽出液をなめし工程で使用した」という高級なレザーがふんだんに使われている。前席シートヒーターも標準装備され、価格は560万円。



ボディ・カラーはこれまでと同数の全6色から選べるが、新たに「i8」と同じ「プロトニック・ブルー」(トップ写真)や「フルード・ブラック」(下の写真手前)が用意される代わりに、「ソーラー・オレンジ」(下の写真奥)が廃止されるなど、見直しが図られている。



車体後部に積まれたモーターのスペックはこれまでどおり、最高出力170psと最大トルク25.5kgmを発生する。また、純粋な電気自動車であるi3の他に、バッテリー残量が少なくなると始動して発電機として機能する647ccの直列2気筒エンジンを搭載したレンジ・エクステンダー装着車も引き続き販売される。こちらは上記の価格にそれぞれ47万円上乗せされる。バッテリーの満充電に加えてガソリンも満タンにしておけば、航続距離は121km延長されて511kmとなるそうだ。

なお、新しくなったi3では「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金」の最大受給可能額が、これまでの23万9,000円から36万5,000円にアップしたため、ATELIERなら従来より実質的に出費を抑えて購入することができるという。また、新車購入時から3年間は主要項目のメインテナンスなどが無償となる「BMW iサービス・インクルーシブ」が、i3も含むBMW全車に標準で付くことになった(従来は4万5,000円)。

欧州では従来型のi3に乗っているオーナーも、有償でバッテリーを大容量のものにアップグレードできるようだが、残念ながら日本ではこのサービスは実施されないそうだ。



さらにこの新型i3発売と同時に、BMWジャパンでは10月1日より「Charge Now」という公共充電サービスの導入を開始するという。これは専用のCharge Nowカード(上の写真)によって、合同会社日本充電サービスが提供する国内最大の充電器ネットワーク「NCSネットワーク」の急速および普通充電器が使用可能になるというもので、i3なら新車で購入すれば1年間は会費が無料、全国に設置されている約8,500基の普通充電器と約5,000基の急速充電器(2016年8月末時点)が無料で使える。2年目から5,000円/月が必要になるが、普通充電器の利用は無料だ(急速は15円/分)。これにより、出先で充電が便利になるだけでなく、マンションや月極駐車場など、自宅ガレージに充電器を設置できない方でも、i3を所有することが楽になるに違いない。このCharge Nowは、i3だけでなくBMWが販売する他のプラグインハイブリッド車も対象となる(月会費や使用料は異なる)。もちろん、日本仕様のi3は「CHAdeMO」方式の急速充電に対応しており、約45分で80%まで充電が可能。普通充電の場合は約12〜13時間で満充電が完了する。なお、i3は後輪の上に急速充電、フロントフード内に普通充電のポートが備わる。



新しくなったBMW i3に関する詳細は、以下のURLから公式サイトでご確認いただきたい。今回の記者発表会が行われた東京・虎ノ門にある「BMW i Megacity Studio」では、気軽にi3の試乗や、さらに長い時間も借りられるカーシェアリングもできるので、お近くの方は是非、電気による「駆けぬける歓び」を体感してみてはいかがだろうか。


BMWジャパン:BMW i3 スペシャルサイト
http://www.bmw-i.jp/BMW-i3/