トヨタ、KDDI、コメダが連携し、日本初の
2016年秋の交通安全週間(9月21日から9月30日まで)に合わせ、トヨタと通信会社のKDDI、そしてコメダ珈琲店の3社が、スマートフォンのアプリを使った共同プロジェクトを開始した。これは、運転中にスマートフォンの操作を行わないドライバーに、無料でコーヒーを提供するというもの。トヨタの発表によれば、自動車メーカーと通信会社、飲食店企業が連携してアプリを活用した"ながらスマホ運転"防止に取り組むのは日本初とのこと。本サービスは、日本で最も人身事故件数の多い愛知県で実施される。

「Driving BARISTA(ドライビング バリスタ)」と名付けられたこのアプリの仕組みは、非常にシンプルだ。スマートフォンに同アプリをダウンロードし、運転時に起動したうえで画面を伏せておくと、その間の距離は電話をいじっていないと記録される。スマホを操作しているかどうかは、ジャイロセンサーが検知するという。"ながらスマホ運転"をせずに走った距離が100kmに達すると、コメダ珈琲店の無料コーヒークーポンが入手でき、その後は200kmごとに同クーポンが配布されるそうだ。

安全運転を奨励するアプリ、もっと具体的に言えば、"ながら運転"防止を図るアプリを我々が目にするのは、これが初めてではない。米国ではバーモント州ミドルベリー大学の学生が、様々な景品と交換可能なポイントを付与するアプリ「JoyRyde」を開発している。また、これと似たポイント制の「SafeDrive」というアプリもあるが、こちらは景品を丸ごともらうのではなく、商品の割引という形で反映されるシステムだ。このSafeDriveには、友人と互いの運転マナーを比べられるという機能まで付いている。ただし、これらは独立系のアプリであり、今回の日本のアプリが安全運転への報奨として無料コーヒーを提供するのに対し、幅広い種類の商品やサービスを取り揃えているのが異なる点だ。とはいえ、コーヒーが強いモチベーションになることは間違いない。もし米国でスターバックスが同様のアプリ配信を開始したら、ながら運転による事故の発生件数は一晩で急減するだろう。

このようなコーヒー交換制のアプリは、保険会社に適用してもかなり高い効果が見込めそうだ。米国の大手保険会社であるステートファームオールステートは、両社とも顧客の運転がどれだけ安定しているか(もしくは、乱暴なのか)を追跡するスマートフォン用アプリを作っており、保険料の設定や割引に活用している。同じく保険会社のプログレッシブも似たような機能を持つ「スナップショット」を開発しているが、これはクルマのOBDポートに差し込んで使うデバイスだ。しかし、今挙げたどのツールにも、電話の使用を検知する機能は搭載されていない。一方、オーストラリアの保険会社AAMIは、ドライビングの安定性と電話操作の検知、どちらの機能も持つアプリを提供している。こういった機能があれば、保険会社は顧客が事故を起こし保険金を請求してくる可能性を減らすことができるだろうし、ドライバーとしても保険料が下がるチャンスを得られるわけだから、双方にとって良いことずくめになるはず。考えるまでもなく、米国の保険会社でも採用するべきだ。



By Joel Stocksdale
翻訳:日本映像翻訳アカデミー