テスラ、世界最大規模となるリチウムイオン蓄電池システムを米電力会社に供給 電力不足や停電の回避に一役
テスラは、これから3ヶ月以内に世界最大のリチウムイオン蓄電池システムが完成すると発表した。この「Tesla Powerpack(テスラ・パワーパック)」と名付けれらた、20MW/80MWhのパワーを誇るシステムは、南カリフォルニアの電力会社、サザン・カリフォルニア・エジソン社のマイラ・ローマ変電所で採用される予定だという。よく分からないという方のために説明すると、テスラ・パワーパックとは巨大なバッテリーの一群のことで、テスラは顧客から指定された大きさの業務用蓄電池システムを構築し供給するという事業を展開しているのだ。膨大な数の「モデルS」のバッテリーパックが結合して電力網に繋がっている姿か、あるいはテスラの家庭用蓄電池「パワーウォール」の超巨大版を想像すれば、どんなものかお分かりいただけるだろう。

テスラが同システムをサザン・カリフォルニア・エジソン社に供給した理由の1つには、最近、地元のガス会社、サザン・カリフォルニア・ガスがアライソ渓谷の施設を閉鎖したため、ロサンゼルス周辺で大量のエネルギーの供給源を失ったという背景がある。この施設では昨年、前代未聞のメタンガス漏出が発生したため、安全に貯蔵および使用ができないと判断されて閉鎖に至った。同施設の閉鎖は電力の需要が高まることを意味し、テスラが指摘する通り、冬場は特に需要が増すだろう。テスラ・パワーパックは、過剰な負荷に対処し起こりうる停電の回避に役立つと期待されている。

パワーパックの仕組みはこうだ。まず、電力使用が集中しない時間帯に電力を蓄える。そして使用が集中する時間帯に、バッテリーに貯蔵された電気を電力網に送り込み、発電機の負担を軽減する。テスラによると、この特別なパワーパックは、フル充電で2,500世帯の1日分の電力をまかなえるという。また同社は、このシステムの供給を、"持続可能エネルギーを中心とする未来"を実現するために必要な"双方向の柔軟な電力網"の開発に向けた一歩だと話している。

電力網の未来において、電気自動車(EV)には異なる2つの役回りが予想される。まず、車両に搭載されているバッテリーパックを使って、これらの巨大なバッテリーシステムのミニチュア版として機能できるということだ。実際、日産ホンダはこの可能性を調査している。その一方で、EVはより多くの充電ステーションを必要とすることも事実だ。EVが売れれば売れるほど、電力の需要は大きく増え、電力網への負荷も大きくなる。今のところ何の問題も起きていないが、これは我々が何年も前から懸念している点だ。


By Joel Stocksdale
翻訳:日本映像翻訳アカデミー