ランボルギーニ、東京で「チェンテナリオ」を公開! 三菱レイヨンとの提携も発表
ランボルギーニは9月16日、東京都の聖徳記念絵画館で「ランボルギーニ・デイ」を開催。限定モデル「チェンテナリオ」がアジアで初めて公開されたほか、クラシック・モデルのコンクール・デレガンスや東京都内の公道におけるパレードなどが行われた。

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創業者フェルッチオ・ランボルギーニの生誕100周年を記念して、3月のジュネーブ・モーターショーで発表されたチェンテナリオは、今回東京で公開されたクーペが20台、そして開閉可能なルーフを持つロードスターが20台、合計40台の限定生産となる。価格は175万ユーロ(約2億円)と、ベースになった「アヴェンタドール」の約5倍に相当するほど高価だが、既に全車が売約済みとなっているそうだ。8,600rpmまで回る自然吸気V型12気筒エンジンが最高出力770psを発揮して4輪を駆動し、乾燥重量1,520kgに抑えられた車体を0-100km/hまで2.8秒で加速させる。最高速度は350km/hを超えるという。



絵画館の前に置かれたチェンテナリオはジュネーブで公開された個体と同じものと思われ、ボディの全面がカーボンファイバーの美しい織り目模様を見せる仕様となっている(オーナーの希望に合わせてカラーで塗りつぶしも注文可能)。よく見ると、部位によって光沢のあるグロス仕上げとツヤを抑えたマット仕上げが巧みに使い分けられていることが分かる。このチェンテナリオは、ランボルギーニのカーボンファイバーに掛ける熱意を象徴する存在だ。



一般にカーボンファイバーと言われる炭素繊維強化樹脂の研究開発をランボルギーニが始めたのは1983年の頃。当時のフラッグシップ・スーパーカー「クンタッチ(カウンタック)」のモノコックを、プリプレグ(炭素繊維に樹脂を染み込ませたシート状のもの)で製作したプロトタイプが造られた。それから次第にこの先進素材の使用範囲を拡大していき、現在はモノコックを含むカーボンファイバー製のパーツを設計から製造、そして修理まで、全て自前で行える世界で唯一の自動車メーカーとなっている。

なぜ、そこまでカーボンファイバーに拘るのかと言えば、スーパー・スポーツカーの性能目標達成における重要な鍵が、パワーとウエイトのバランスにあるからだと、ランボルギーニ研究開発部門取締役のマウリツィオ・レッジャーニ氏は説明する。「例えば、パワーを20馬力上げると最高速度は上がります。しかし車重を20kg減らせば、加速、ブレーキ、コーナリングで違いが実感でき、しかもCO2排出量の削減にもつながる。カーボンファイバーを使えば、剛性を保ったまま軽量化できるのです」と同氏は語る。



このカーボンファイバーという素材に関して、世界的に大きな存在感を示すのが日本企業だ。現在、全世界で使われるカーボンファイバーの約6割を日本の企業が供給しているという。ランボルギーニでは、次世代モデルでその適用をさらに拡大するため、単なる素材の供給に留まらず、三菱レイヨンと共同で研究開発を行うことを発表し、この場で基本合意書の署名式を行った。



三菱レイヨンが開発した技術に、カーボンファイバーのプリプレグを高圧プレス成形するPCMというものがある。これは従来のオートクレーブを使う工法よりも生産性に優れ、部材表面の平滑性が高く、しかも耐候性が高いという、自動車の外板に非常に適した特徴を持つ。ランボルギーニの次世代モデルでは、両社による新素材の共同開発だけでなく、コスト削減やオートメーション化においても三菱レイヨンの技術が重要な役割を担うことになるそうだ。ランボルギーニが開発した独自の技術「カーボンスキン」や「フォージドコンポジット」も三菱レイヨンの協力があったからこそ実現したものであるという。

三菱レイヨンの越智仁社長は「ランボルギーニの次世代車の機能とデザイン性を上げるために、共同で開発を行うことになりました」と述べ、同社のコンポジット製品事業部長を務める中越明氏は「ランボルギーニと共同で、新しいカーボンパーツの世界に踏み込みたいと思っています」と語った。また、ランボルギーニのアジア太平洋地区代表アンドレア・バルディ氏は、日本とイタリアに共通する「美に対するパッション」「豊かな創造性」「高い自動車技術」を挙げ、両国の結び付きを強調した。



サプライヤーからパートナーへ、絆を深めた両社のカーボンファイバーに対する知見と情熱は、まず2018年に発売されるランボルギーニのSUV「ウルス」で新たな成果を実らせるはずだ。"ランボルギーニがSUV?"と一抹の不安を抱いた方に、ステファノ・ドメニカリCEOの「これからもティーンエイジャーが乗りたいと思うようなクルマを作っていきます」という力強い言葉をお伝えしておこう。この日、会場には壇上の最新モデルに加え、「カウンタック」や「ミウラ」などのクラシックなスーパーカーも数多く並べられていた。40年前にこれらのクルマに夢中になった我々がそうしたように、現代の少年はウルスのポスターを部屋に貼るのかもしれない。憧れの形や素材は変わっても、ランボルギーニが憧れを創出し続けることに変わりはない。