【本日の質問】 歴史上、最も革新的だったクルマは?
自動車の世界で"未来"と言えば、メーカーが競合他社よりも1年か2年、先を行くことを意味するが、その実現は容易いことではない。しかし、1885年にカール・ベンツが世界で初めて自動車を誕生させてから、いくつかの革命的とも言える変化があった。ゼネラルモーターズ(GM)は実用化可能なオートマチック・トランスミッション「ハイドラマチック」を初めて造り出し、それから何年もの間、各社はこぞってこれに追いつこうとした。初代フォード「トーラス」は当時、かなり斬新なデザインとされたが、結果的に当時のクルマのほとんどがこのゼリービーンのようなフォルムを採用した。BMCによる初代「Mini」に採用された横置きエンジンの前輪駆動は、以降の大衆車で主流となった。これらをはじめ、ライバルよりさらに一歩先へ進むべく努力を重ねた自動車メーカーの歴史を上げれば枚挙に暇が無い。



そこで本日の質問だが、今回はその意味するところが少々広義に及び、漠然としていることから、大いに議論の余地はあると思われる。読者の皆さんにとって、これまで世に送り出された数々の自動車の中で、外観、設計、走り、あるいはクルマに関する諸々のことにおいて、「最も革新的だったと思われるクルマ」はどれだろうか?

筆者の答えはシトロエン「DS」だ。その理由は、1955年にデビューしたこのクルマが、まるで他の銀河系から来た超文明の使者がピラミッドの頂点に置いていった機械のように見えた、ということだけではない。ハイドロニューマチックという完全独立懸架のサスペンションを持つDSは、乗り心地の良さと路面を選ばないハンドリングを兼ね備えた、当時最高のクルマだったからだ。例えば、1990年以前に作られたクルマの中から、DSの乗り心地に対抗できるものを探し出すとしたら、それは至難の業だろう。しかも、このクルマは決して遅かったわけでもない。さて、皆さんのご意見はいかがだろうか?


by Murilee Martin
翻訳:日本映像翻訳アカデミー