ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ(北コース)の一般走行日における極めて重要なルールの1つは、「他のクルマの走行中にコース上を歩き回ってはいけない」ということである。幸いにも無傷で難を逃れた英国人ドライバーの行動が、実に効果的な注意喚起となった。

今回ご紹介する動画は、このドイツの有名なサーキットで先週末に撮影されたもの。時々起こることだが、北コースのブルンヒェンというコーナーで、青いフォード「フォーカス」から冷却水かオイルが漏れてしまった。この厄介な見通しが利かない上り勾配のコーナーは、事故の瞬間を収めようとカメラマンが待機している"YouTubeコーナー"としても有名だ。このフォーカスから漏れた液体がサーキットの路面を滑りやすくしたことが誘因となり、後続車は次々にスピンアウトしてバリアに衝突。それを見たカメラマンは、コース上の危険を知らせる黄旗を振ってドライバーに必死で合図を送る。そうこうしているうちに、E30型BMWM3」のドライバーがクルマから降りるとコーナーへ向かい、事もあろうにサーキット内の路肩に立って後続車に手を振り始めたのだ。すると、コーナーに侵入してきた別のBMWのドライバーが、オイルの上を通過した拍子にタイヤを滑らせ、危うく手を振っている青いシャツの男性を撥ね飛ばしそうになった。撥ねられる直前にこの男性がバリアをよじ登ることができたのは奇跡に近い。

ご存じのとおり、サーキットで黄旗が振られたら速度を落とす必要がある。だが、危険な滑りやすいコーナーを歩き回ることは自殺行為に等しい。そしてオイル漏れなどを起こしているクルマでサーキットを走行すれば、人命に関わる事故を引き起こしかねないと肝に銘じるべきである。




By Antti Kautonen
翻訳:日本映像翻訳アカデミー