Continental SportContact6
コンチネンタルは、ドイツ国籍のメーカーで、ブリヂストン、ミシュラン、グッドイヤーに次いで世界第4位のタイヤメーカーだ。またタイヤだけでなく、ブレーキキャリパーやローター、ABS 、ESC(横滑り防止装置)などブレーキ関連システムのメーカーであるテーベス、シーメンスの自動車電子部品部門、モトローラの自動車用エレクトロニクス部門を傘下に収める巨大な自動車部品サプライヤーでもある。

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タイヤ部門におけるコンチネンタルは、近年プレミアムカー及びハイパフォーマンスカーを中心に純正装着され、メーカーおよびユーザーから高い評価を得ている。そんなコンチネンタルのフラッグシップタイヤであるハイパフォーマンスカー向けのスポーツタイヤ=スポーツコンタクト6 (SC6)が発売されている。

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SC6は、従来のタイヤで言うと、コンチ・スポーツ・コンタクト5(CSC5)ではなく、よりハイパフォーマンスなタイヤとして位置づけられているコンチ・スポーツ・コンタクト5P(CSC5P)の後継モデルとなる。タイヤサイズも19~23インチ、235~335の412サイズが用意される速度レンジは(Y)=300km/h以上となっている。

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SCDC6の特徴は、マキシマム・グリップ、マキシマム・ドライ&ウエットパフォーマンス、マキシマム・スタビリティ&セーフティ(安定性と安全性)、マキシマム・プレシジョン(正確性)を求めた超高性能タイヤであるということ。これらの性能を高めるために様々な技術が盛り込まれている。

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トレッドデザインは、CSC5Pの小型ブロックから、アウト側ショルダーを大型化した左右非対称パターンに変更された。イン側にオフセットした3本の太い縦溝とアウト側ショルダーに配置された細めの1本の縦溝が基調になっている。アウト側の縦溝(横溝も)は、接地してタイヤが変形すると、溝がなくなり一つの大きなブロックを形成し、強力なブロック剛性を発揮するように設計されている。
タイヤの構造も進化した。タイヤケースの一番外側にまいて、タイヤのカタチを保つタガの役割を果たしているキャッププライにアラロン350という糸を採用している。アラロン350はナイロン1本とアラミド繊維2本をより合わせたコード(糸)で、しなやかさを保ちながらタイヤの膨張をによる接地面形状の変形を350km/hまでなくし、グリップ性能を確保し安定性を高めている。

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コンパウンドもユニークな技術が盛り込まれている。ブラックチリ・コンパウンドと名付けられており、これはミクロの路面の凹凸に合わせてゴムが変形し、高いグリップ性能を発揮するミクロフレキシブルコンパウンドと、アトミックフォース・コンパティビライザー(=原子間力引力)と呼ばれる力を引き出すことによって、より優れたグリップ性能を発揮する。
補足すると、アトミックフォース・コンパチビリティはファンデルワールス力とも呼ばれる原子間に働く引力に似たグリップ力。吸盤を持たないヤモリが壁を登れるはこの力が働いているからといわれている。

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さて、そのSC6の国際試乗会がドイツ、フランクフルトの150kmほど北にある運転訓練施設ビルスターベルグ・ドライブリゾート(Bilster Berg Drive Resort GmbH&Co.KG)で行われた。

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試乗パートはいくつかに分かれタイヤの特徴がわかるようにプログラムされていたが、もっともパフォーマンスを理解できたのがハンドリングコースでの試乗だった。試乗車は、メルセデスベンツA45 AMG、ゴルフR、アウディRS3(新型)で、タイヤサイズは235/35R19が組み合わされていた。
印象的だったのはどのクルマでもビタッ! とタイヤが路面に密着して微動だにしないグリップの安定感があること。

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例えば、コーナーでは強いグリップ感が出ているのだが、踏ん張るような感じとはやや印象が異なる。もちろん踏ん張ってくれてはいるのだが、グニャつくような感触がなく、ビタッと貼りつく印象なのだ。もちろんタイヤは転がりながら路面をとらえているので、貼りつくようなことはないのだが、感覚としてそんな感触に近い。理由として考えられるのは、ハンドル操作に対する応答の正確さがある。ハンドルの操舵量とハンドルを切るスピードに応じで、素晴らしく正確に応答が出るのだ。タイヤがグリップしながら横方向にグニッと変形するような感触がないのだ。タイヤが転動して路面を捉えたその瞬間に揺るぎないグリップ感が出ているのだ。
いってしまえばスリックタイヤに似たケース剛性及びブロックの剛性感とグリップ感がある。絶対的なグリップ性能を冷静に言えば、セミレーシングタイヤほど高くはないが、ウルトラ・ハイ・パフォーマンス・タイヤのカテゴリーで言えば文句なしにトップクラスにある。グリップ限界に至るまでの手応えの変化や路面のとらえ方が、レーシングタイヤ的なのだ。

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その不思議なグリップ感も、用意されていた2つの試作タイヤEVO1、EVO2に試乗することができ、進化の過程を見ることができた。

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このステージではケイマンを使って試乗を行った。
試作タイヤはCSC5Pのトレッドデザインをベースに作られており、EVO1はウエットグリップが低く、操縦の正確性が高いタイヤ。EVO2はウエットグリップが高いが操縦正確性が低いタイヤとして作られていた。

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ターゲット性能を想定し、ECO1はウエットグリップ性能は従来のままで、操縦性≒応答性をターゲット性能まで高めたものだった。このタイヤは、ハンドル操作に対して凄く敏感で、少ない舵角でクルマが鋭く向きを変えてくれる。その一方で、絶対的なグリップレベルが不足しているので、相対的に安定性が不足し、ハンドル操作に敏感すぎ、不安定な印象のタイヤっとなっていた。

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EVO2は、応答性は従来のままで、ウエットグリップ性能をターゲット性能まで高めたもの。こちらはドシッとした安定感があり、高速(約100km/h)でスラロームしても不安感を感じさせなかった。ただし、ハンドル操作に対する応答が鈍く、舵角を多めに必要とする...つまり曲がりにくい印象だった。
操縦性とウエットグリップ、2つのターゲット性能を備えたものがSC6で、このタイヤに試乗すると、ハンドル操作に対する応答の正確度が高く、それでいながらドシッと安定したものとなっていた。
印象としては、ハンドルの効きだけが良いわけではなく、リヤタイヤの応答(CP...コーナリングパワーの立ち上がり方)が素晴らしくいいと感じられた。つまりハンドルを切りだすと、前輪が曲がる力を発揮したすぐ後にリヤタイヤが踏ん張りを見せ、安定感を出しながら、歯切れよくクルマ全体が向きを変えてくれる、そんな感じ。

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こうした性能は単純にグリップ性能だけでなく、タイヤケース(骨格)設計や、トレッドデザインの総合的な性能による。特にコーナリング時の抜群のグリップ感と安定感は、トレッド面が路面に接地して変形した時、アウト側2列のブロックは前後左右に密着し、一つの大きなブロックを作り出すように設計されている。これによって大型ブロックに匹敵するブロック剛性を得ているのだという。

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普通に走っているときの適度にダンピングの効いたそれでいて滑らかな質感の高い乗り味と、スポーツドライブを試みた時の抜群の操縦性と安定性を、巧みに作り出している。タイヤサイズからも分かるように、SC6は過激にヒートアップする欧州のハイパフォーマンスカーを想定して開発されている。

■コンチネンタルタイヤ 公式サイト
http://www.continental-tire.jp/www/tires_jp_jp/