ボッシュ社、VWにディーゼル排出ガス不正問題で免責を要求?
ある年齢層のポップカルチャー・マニアであれば、フォルクスワーゲン(VW)が1990年代前半の広告キャンペーンで使用していた"Fahrvergnügen"という言葉を覚えているかもしれない。ドイツ語で「運転する楽しみ」のような意味だが、現在のVWについて高い関心のある人なら、知っておくべきドイツ語は"Akustikfunktion"だろう。ただし、決してポジティブな意味ではない。それは大手機器サプライヤー企業のロバート・ボッシュ社にかなりのダメージを与えるだろうと、金融情報メディア『Bloomberg News』は報じている

"Akustikfunktion"とは、世界的に実施されている排出ガス試験を通過するため、VWが数百万台の自社製ディーゼル車に搭載したディフィート・デバイス(無効化装置)の暗号名だ(ちなみにこの言葉自体は英語でいうと"acoustic function"、つまり音響機能という意味)。今月2日、サンフランシスコ連邦裁判所に提訴したVW車オーナーの弁護団の主張によれば、ボッシュ社は同装置をVWと共謀して開発しただけでなく、同装置によって法的な問題が生じた場合にはVWに対し免責を求めていたことが、2008年にボッシュ社がVWに送った手紙から分かったという。

ボッシュ社の広報担当者は、現況を考慮し『Bloomberg』へのコメントを控えている。同社はこれまでそのような主張を認めていないものの、VW車オーナーの弁護団の主張によると、米国で販売されたVW車の少なくとも数十万台におよぶディーゼル車に搭載された不正装置の製造に、ボッシュ社が果たした役割は"明白"だという。VWは6月末、米国の規制機関と和解が成立しており、約50万台のクルマに搭載された同装置のために165億ドル(約1兆6,900億万円)を支払っている。VWは欧州でも消費者とEUの双方から膨大な数のクレームを受けており、韓国では同社の多くのモデルが販売禁止となっている。

米国連邦政府は、ボッシュ社と、VWディーゼル排出ガス問題におけるボッシュ社の潜在的な役割について調査を開始しているが、当時のいかなる不正行為に関しても同社を告訴してはいない。


By Danny King
翻訳:日本映像翻訳アカデミー