キャデラック社長、誤った報道に自らコメントを寄せて今後の計画を明かす
キャデラックは、インフィニティでCEOを務めていたヨハン・ダ・ネイシン氏をヘッドハンティングして以来好調が続いており、ラグジュアリー市場を追求した収益性の高い自動車メーカーとなっている。そんなキャデラックがラインアップを縮小する可能性を示唆する報道があったことに対し、ダ・ネイシン社長は自らこれに答えた。

米国の自動車業界情報サイト『The Detroit Bureau』は、キャデラックがラインアップを縮小するだろうという記事を堂々と、しかも誤って伝えたようで、同記事のコメント欄に、ダ・ネイシン社長自らがコメントを寄せ、キャデラックの将来の展望を述べている。同社の広報は、このコメントが同社長によるものだと認めているが、同社にとってプラスになったかどうかについては述べていない。

ダ・ネイシン社長によるコメントの中で最も興味深いのは、キャデラック「XTS」の"大規模なモデルチェンジ"についてだろう。これは以前にお伝えした、XTSは2019年頃に廃止されるだろうという報道と矛盾する。キャデラックはGMとの間に距離を置きたい意向であり、より利益の出るモデルの生産を増やすためにXTSは廃止されるだろうと思われていた。2012年に登場したこのセダンは現行型シボレー「インパラ」のプラットフォームを共有しているのだが、以前の報道とは逆に、ダ・ネイシン社長は「XTSに大規模なモデルチェンジを計画している」と述べている。年代物となってきたセダンにどんなモデルチェンジが施されるのかは謎のままだが、廃止されることはなさそうだ。

しかし、このXTSをラインアップに残す計画には少々驚きを禁じ得ない。キャデラックは現在、サーキット志向のスポーツカーや、後輪駆動のセダン、高級クロスオーバー車などのモデルをラインアップしている。前輪駆動またはそれをベースにした4輪駆動の大型セダンであるXTSのようなクルマは、同社のラインアップの中でも場違いな存在であり、仮に大幅な改良が行われたとしてもその位置づけは変わらないと思われるからだ。キャデラックがXTSに執着する理由はひとえに、従来の室内空間や乗り心地にこだわる長年来の顧客層に支持されていると信じるからだろう。

2013年に掲載したXTSの試乗記で、「このラグジュアリーセダンは長距離クルージング用としては最高だが、優秀なスポーツカーとは言い難い」と我々は評価したが、これは予期できたことだ。今後、キャデラックがXTSを一新しても、その走行性能を追求するとは思えない。おそらく、さらなる快適性と高級化の追求に向かうのではないだろうか。

ヨハン・ダ・ネイシン社長は、同社の今後の計画についても言及している。

我々が計画しているキャデラックの新型フラッグシップカーは、4ドアセダンではありません。

「エスカレード」の下に位置する大型クロスオーバー車を、「XT5」の下に位置するコンパクトクロスオーバー車を計画しています。

「CT6」はモデル期間の後半に包括的なアップデートを行い、「XTS」には大幅な改良を施します。
そして、"Lux 3"および"Lux 2"という新型セダンが登場する予定です。


この計画が実現すれば、キャデラックがまさに必要とする新たなセグメントが満たされるだろう。特に昨今の人気を考えればクロスオーバー車の重要性は大きい。市場に登場すれば皆が飛びつくことは間違いないからだ。



By Joel Patel
翻訳:日本映像翻訳アカデミー