Volkswagen Passat GTE
パサートGTEは、ゴルフGTEに続く、フォルクスワーゲンのPHEVの第2弾、そしてパサートバリアントGTEが第3弾ということになる。

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使い勝手のいいハッチバック(ゴルフGTE)に加え、フォーマルなセダン、積載性に優れたステーションワゴンが加わったことで、様々なライフスタイルにあったGTEが選べるようになった。

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PHEVユニットは基本的にゴルフと共通で、1・4L 直噴ターボのTSIエンジン+モーターの組み合わせ。ただし、エンジンは156ps/250Nmを発揮。ゴルフに比べ6馬力パワーアップしている。モーターも116ps/330Nmで、ゴルフGTEの109馬力に比べると7馬力パワフルに。その結果、パサートGTEのシステム最高出力は218ps/400Nmとなっている。このパワーアップに合わせるように、搭載するリチウムイオンバッテリーも、総電力量9・9kW/hとゴルフGTEに比べ1・1kwh容量アップしている。
エンジンとモーターのレイアウトは、エンジン+クラッチ1+モーター+クラッチ2(ツインクラッチ)+ミッションというレイアウト。クラッチの断続とモーターの出力のオンオフによって、エンジンのみ、モーターのみ、ハイブリッドの3つのモードを使い分けることができる。

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走行モードはゴルフGTEと同じで、バッテリー残量がある限り積極的にEV走行を行う「Eモード」。バッテリーの充電レベルや走行パターンに応じでモーター走行、ハイブリッド走行、必要に応じてエンジン走行をしてくれる「ハイブリッドモード」、そしてGTEシリーズの大きな特長にもなっているのがモーターとエンジンのパフォーマンスを積極的に引き出す「GTEモード」だ。

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EUではCO2排出量規制が敷かれているのはご存知にとおり。各メーカーは、販売する車種ごとのCO2排出量の平均値が規制量を超えると罰金が科せられる。2015年にはCO2排出量を130g/kmと定められ、2021年にはさらに厳しくなって、95g/kmを目指すことになっている。
欧州ではいま、様々なメーカーからプラグインハイブリッドが登場していが、それはモータードライブである程度の距離が走れるPHEV(プラグインハイブリッド)はこのCO2規制に有利な燃費換算法が採用されているからだ。そのため各社こぞってプラグインハイブリッド車の開発がすすめている...というのがこのところ欧州地域でPHEV車が登場している要因の一つになっている。

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ではあるけれど、同時にPHEVはピュアEVや燃料電池車、代替燃料車に移行するまでの現実的な形ではないかと思う。最近でこそ航続距離の長いEVの開発が進められるようになってきたが、充電時間や給電場所の整備はまだ完璧とはいいがたいし、課題も多く残されており、実用レベルになるにはもう少し時間が必要だ。その点PHEVなら充電した電気を使って走るEVと違い、ガソリンやディーゼルエンジンを併用することができるので、長い航続距離が可能だ。

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話をパサートGTEに戻すが、やはり魅力的なのは、走行するシチュエーションに応じて走行モードを選べる頃だろう。EVモードを選択すると、早朝家を出るときや、深夜の帰宅時、あるいは街中での買い物等に使うときはEVだけでも十分走れてしまう。

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EVモードのボタンを入れておくと、アクセルペダル奥の加速スイッチをカチッと踏み込むまでは、アクセルを深く踏んでもエンジンがかからず、強い加速が効くのでエンジンがかからないように探りながらアクセルを踏む必要がない。しかも130キロまでEVドライブのまま加速 巡航でるのだ。130km/hは、日本では非現実的な速度...ということになるが、ドイツのアウトバーン(の速度無制限区間)では130km/hが推奨速度になっているので、アウトバーンでの巡航に至るまでの加速をEVでもこなせるように設計されているということなのだろう。

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ハイブリッ(HV)ドモードは、たぶんフォルクスワーゲンのエンジニアをもっとも悩ませたモードだろう。優れた燃費を保ちながら、ストレスのない加速性能を発揮し、場合によってはバッテリーへの充電を行う。静かにアクセルを踏み込むとEVモードで走らせることができ、アクセルの踏み込み量が増すと滑らかにエンジンがかかり、モーター+エンジン併用モードとなる。ここで問題になるのは、バッテリーへの充電。あまり充電に重きを置くと燃費が悪くなってしまうからだ。バッテリーチャージモードが用意されているのはその解決方法なのだろう。バッテリーの容量がある一定量より少なくなると自動的にバッテリーチャージモードとなる。これはインフォテイメントシステムのモニターを使って任意にセレクトすることもできる。EV走行に備えてあらかじめ充電しておいたり、高速道路巡航などエンジンの効率が良い運転状況で充電するといった工夫もできる。

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そして、HVに実用性だけでなく楽しさを加えているのがGTEモードだ。フォルクスワーゲンではエレクトリックブーストと呼んでいるが、エンジン出力に加え、モーターをターボのように使うことでさらなる動力性能を作り出している。

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システム出力は281ps/400Nmで、この数字を見ただけでもセダン(ワゴン)としてはパワフルに見えるが、実際に走らせてみると、この数字以上に速く力強い。
やはり魅力的なのは、低回転域でのモーターの駆動トルクの大きさだ。モーターはアクセルを踏んだ瞬間から最大トルクを発揮するので、例えば、カーブの立ち上がりでアクセルを踏み込んでいくような場面。この時(必要であれば)いきなり330Nmの駆動トルクが引き出せるのだ。実際には全開にしてしまうと、前輪が盛大にホイールスピンしてしまう(ESP OFF)か、ESPが作動して駆動トルクを絞ってしまうので、加減しながらアクセルを踏み込む必要があるが、回転が上がるまでパワー盛り上がらないエンジンよりずっと素早く必要な駆動トルクを引き出すことができる。

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ワインディングロードをドライブするなら、モーターの駆動トルクの大きさを利用して、シフトレバーをマニュアル操作して、1段高いギヤで走らせながらモーターの駆動トルクを使って速くスムーズに走る、なんてこともできる。


ちなみに、今回の試乗会ではアトラクションとしてゴルフGTIとゴルフGTEで発進加速競争(ゼロヨンみたいなもの)を行うことができた。200mくらいの距離で加速性能はほぼ互角、発進の上手下手で勝敗が決まる感じだった。ただ、GTEには裏技があって、最初の50mくらいをEVモードで走るとGTEが圧勝するのだ。
どうやらGTEモードは、走行中にモーターを効率よく使ってパフォーマンスアップを図っているのだが、発進ではエンジン出力を引き出そうとする制御があだになって、出足がエンジン車的になっているのだ。EVモードだと発進時にいきなり330Nmの駆動トルクが引き出せるので、スタートが大切なゼロ発進加速ではモーターを積極的に使えるEVモードが以外に有効だったというわけ。

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ともあれ、そんな走る面白さをたっぷり持っているのがフォルクスワーゲンのGTEシリーズなのだ。もちろんパサートGTEも、EVモードの出足は鋭くトルクフル。滑らかで静かに走らせるときだけでなく、発進加速に力強さが必要な時もEVモードは有効だ。

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ハイブリッドというとどうしてもエコノミー性能、エコロジー性能が先に来るが、それと同じくらいの比重で走る面白さ、新しい動力を使うことの可能性を見せてくれた。

■フォルクスワーゲン 公式サイト
http://www.volkswagen.co.jp/ja.html