内装にコリンシアン・レザーが張られた1977年型クライスラー「コルドバ」を廃車置場で発見
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プラスチックの紋章があちこちに付けられ、欧州のリゾート地を思わせる車名を持つクライスラー「コルドバ」は、非力なエンジンを搭載しながら過剰に装飾された当時のデトロイト製大型クーペを象徴する存在だった。1975年〜79年に生産された初代コルドバには、69年型ダッジ「チャージャー」やプリムス「スーパーバード」と同じ、熟成された(時代遅れともいえる)プラットフォームが使用されており、アメリカが低迷していた時代のクルマとしては、かなりまともな出来栄えだったため、当時は爆発的に売れた。だが、コルドバで思い出すものと言えば、シートに使われたオプションのレザーの名前だろう。



その名も「コリンシアン・レザー」(注:"コリンシアン"とは、古代ギリシャのコリントス風という意味で、"華麗な"とか"優雅な"という意味合いで使われるようです)。ニュージャージー州ニューアーク産の下級品レザーに付けられた、見事な商品名だ。



それでは、ここで、1975年当時のテレビCMを見て頂こう。



CMに出演していたリカルド・モンタルバンのインタビューを見ても分かる通り、コリンシアン・レザーに関するジョークは、コルドバの発売からすぐに始まった。



数週間前にサンフランシスコのベイエリアにあるセルフサービスの廃車置場で撮影したこのクルマは、見事にボロボロだ。これが良き時代を過ごした証なのか、それとも、どこかで放置されていたせいなのかは分からない。だが、紫色の塗装や、かつては洒落ていた"レザー・トップ"のルーフ(ちなみにステッチはモールド成型)、そしてテール・ランプ、ドア・パネル、ステアリング・ホイールに付けられた金色のメダル(実際はプラスチックだが)など、コルドバは当時購入できた新車の中では、映画「スーパーフライ」(1972年公開)に登場したキャデラックに最も近い存在だった。



このクルマに搭載されている「LA」シリーズの360立方インチ(5.9リッター)V8エンジンは、最高出力155hpを発生した。現在のトヨタ「カムリ」に搭載されている最も小さなエンジンよりさらに23馬力も劣るが...。カムリのシートにはコリンシアン・レザーが使われることなどあるまい。


By Murilee Martin
翻訳:日本映像翻訳アカデミー