【ビデオ】マイナーチェンジしたテスラ「モデルS」、1/4マイルで10秒台の新記録を達成!?
ドラッグレースは、一見シンプルだ。決められた距離の舗装道路を、停止状態から可能な限りのスピードで真っすぐに走る。これは簡単。だが、難しいのは結果を判断することである。

NEDRA(アメリカ電気自動車ドラッグレース協会)の記録によると、公道走行可能な電気自動車の1/4マイル(約402m)の公式記録は、今年1月にルーディクラス・モード付きのテスラ「モデル S P90D」が記録した11.244秒で、このタイムはまだ破られていない。ところが、今回ご紹介するビデオでは、マイナーチェンジされた同じくルーディクラス・モード付きのモデル S P90Dが、米国ノースカロライナ州にあるロッキンガムドラッグウェイで10.804秒という驚くべき速さを披露し、フィニッシュ・ラインを121.99mph(約196km/h)で通過している。ただし、この記録にはいくつかの問題が浮かび上がっている。

去年10月、米国の自動車誌『Motor Trend』はルーディクラス・モードが付いたモデル S P90Dを初めて紹介した際に、1/4マイルを10.9秒で走ると記載した。それ以来、同車のオーナーたちはこの記録を再現、望ましくは塗り替えようと挑戦してきたが、これまで成功者はいなかったのだ。そのため、今回の記録に疑惑を抱く人たちが現れた。

テスラモーターズ・クラブに投稿したある熱狂的ファンによれば、4月にモデルSがアップデートされたことと関連し、90kWhバッテリーパックも今年初頭にパワーアップしているようだという。報告によれば、新しいバッテリーパックを使用すると最高出力が50hp~70hpアップするそうだ。理論的に考えると、これでモデル S P90D のタイムを10秒台へと短縮することが可能になり、今回の記録がそれを証明したということになる。

しかし一方で、今回のタイムが達成されたのは、このクルマが軽量化されていたからではないかという議論もある。というのも、このモデルSには重いパノラミックルーフやその他のオプションが装備されておらず、ドライバーも小柄だった。

動力計で計測した数値や旧式のモデルSとの厳密な比較がなければ、我々にはどちらとも判断できない。テスラの担当者もAutoblog Greenに対し、「変化は確認できていない。モデルS P90Dルーディクラス・モードの馬力およびトルクの数値は、当社の公式サイトで伝えている通りだ」としている。

また、気象条件がコース上の走行パフォーマンスに影響する点にも注意が必要だ。それは電気自動車であっても同様。タイヤの選択、空気圧、トラックの温度、風向きなどによって記録は変わってくる。また、『Motor Trend』はドラッグレースのコースをシミュレーションして加速テストを行う際に、1フィート(約30cm)分をコース序盤から除外しており、10秒近いタイムを彼らがテストした4ドア・セダンの"新記録"として締めくくっている。

この記録に関連するもう一つの問題は、これが公式に認定されるかという点だ。この動画の投稿者が偉業を達成したことは十分に認められる。しかし、NEDRAの公式記録にはならない可能性もあるのだ。なぜか。この動画が投稿されたYouTubeのアカウント、Tesla Racing Channelにある60の動画の中には、ストリート・レーシングなどの違法な活動の証拠となり得るものが含まれているからだ。我々はこの人物に身元を公表してもらい、NEDRAの承認を得ているか確認するために連絡を試みている。返答が来たらこの記事を更新する予定だ。

様々な問題点がある中で、唯一はっきりしているのは、テスラのモデルSが、1/4マイルを11秒未満で走れるということ。そしてはっきりしないのが、このタイムを出すためには、改良された最新型を買えばいいのか、それとも自分(と自分の車)を軽くするべきなのかということ。あるいは両方が必要なのかもしれない。



By Domenick Yoney
翻訳:日本映像翻訳アカデミー