クラウドファンディングで資金を募っていたスカリー社、ARヘルメットの製品化を断念
米国のベンチャー企業スカリー社が思い描いていた、"クラウンドファンディングで資金を募り、AR(拡張現実)を利用したオートバイ用ヘルメットを製作する"という計画を、あまりに野心的すぎると疑いの気持ちで見ていた人がいたならば、残念ながらそれは正しかったことになる。計画は何年も遅れ、資金面での深刻なトラブルが何週間も続いた結果、このスタートアップ企業は支援者に対し業務の停止を報告した。簡単に言えば、資金が底をついたのだ。同社は当面の資金を得るべく奔走していたものの、失敗に終わってしまったのである。Autoblogの姉妹サイト『TechCrunch』によれば、スカリーは中国の巨大企業LeEco社へ自社の売却も試みていたという。しかし、収益の見込みや製造過程に関する課題、そして同社幹部の浪費などといった問題が続いたことで、支援者が離れていったようだ。

出資者は、スカリーから資金の返済は期待できない。同社が申請手続きを進めているのは米連邦破産法第7条で、返済の計画は求められないからだ(求められるのは米連邦破産法第11条)。もし、あなたがスカリーのヘルメットが欲しくて1,499ドル(約15万2,000円)を出資していたとしたら、現段階で最善と思われる次の手は、同等のテクノロジーを提供するというFusar社のヘルメットを買うことだろう。

スカリー社の操業停止は、クラウドファンディング特有のリスクを改めて露呈した。起業側がどのようにアピールしていても、クラウドファンディングへの出資は製品の事前予約とは異なる。そこから何か得られるだろうという可能性への期待から、資金面の支援をするということなのだ。特にARヘルメットなどといった、先進的で高額なニッチ商品の製作は、その分だけリスクが高くなる。通常の商品より手間が掛かる上に、支援を見込める顧客も少ないからだ。クラウドファンディングの運営会社は製品化への手助けや保険まで提供してくれるが、出資者が求めたものを必ず得られるよう保証してくれるわけではない。

注:この記事は米国版『Engadget』に掲載されたJon Fingas記者による記事を転載したもの。


By Engadget
翻訳:日本映像翻訳アカデミー