テスラ「モデルX」を運転中に肺塞栓症を引き起こした男性が、自動運転機能によって一命を取り留める
シートベルトが、これまで何人もの命を救ってきたことは周知の事実だ。1959年にボルボが初めて3点式シートベルトを装備して以来、今も変わることなく使用されており、その安全性は実証されている。長い時間をかけて、この安全装置のもたらす恩恵が世間に認知されていったのだ。それと同様に、テスラもまた同社の自動運転機能「オートパイロット」は命を救えると主張している。しかし、米国のオンライン雑誌『Slate』の記事で、この主張に対して「オートパイロットを本当に信じてもいいのだろうか?」という直球の質問が投げかけられた。

シートベルトと自動運転システムが、共に乗員の命を救うための装備だという点は合致しているかもしれない。しかし、その違いもまた明白だ。シートベルトは事故が発生した際に安全性を高めるためのシンプルな装備品であり、一方の自動運転システムは事故の発生を未然に防ぐものである。テスラのオートパイロットには、カメラやレーダー、超音波センサー、多種多様なソフトウェアなど、多くの先進技術が使われている。複雑なシステムという印象を受けるかもしれないが、その通りだ。

『Slate』の記事では、オートパイロットが持つ潜在的な救命能力について、ある事例を掲載している。弁護士のジョシュア・ネリー氏(37歳男性)は、自身が所有するテスラ「モデルX」に乗って仕事から帰る途中、肺塞栓症を引き起こした。普通ならクルマを止めて救急車が来るのを待つしかないが、ネリー氏はオートパイロットを頼りにハイウェイを降りて付近の病院まで向かったという。

この一件とは対照的に思える事例もある。今年5月、テスラ「モデルS」のオートパイロットが前方を走るトレーラーを認識できず衝突し、ドライバーのジョシュア・ブラウン氏が死亡する事故が起きた。しかし『Slate』に記載された意見では、「ブラウン氏の死がテスラのオートパイロットに原因があると証明できないように、ネリー氏の事例もオートパイロットの安全性を証明することにはならない」としている。この議論に興味のある方は、『Slate』の記事(英語)をお読みいただき、是非ご意見を聞かせてほしい。



By Jeremy Korzeniewski
翻訳:日本映像翻訳アカデミー