チップ・フース氏、1935年に描かれたキャデラックのデザイン画に命を吹き込む
Related Gallery:1939 Cadillac Series 60 by Chip Foose

ゼネラルモーターズ(GM)は、ハーリー・アール氏をリーダーに据えて自動車業界初となるデザイン部門を設立した、カー・デザインにおけるパイオニアだ。奇抜なコンセプトカーから量産モデルに至るまで、同社のデザイン部門は数多くのクルマを生み出してきたが、実現せずにスケッチのまま終わったものも少なくない。著名なカー・デザイナー&ビルダーのチップ・フース氏は、そのデザインの中からある1台の運命を変えようと取り組んでいる。

フース氏の工房「フース・デザイン」によると、チップ・フース氏の最新プロジェクトは1935年のスケッチをベースにしているという。これはカー・ディーラーのウェス・ライデル氏とその妻ヴィヴィアン氏からの依頼で、GMのデザイナー、アート・ロス氏が描き上げた当時のスケッチを基に、キャデラックのクーペを製作するというもの。現存するキャデラックの4ドア・セダンの全長を短く切り詰め、車高を下げた上に取り外し可能なハードトップを装着することになるだろう。プロジェクトの頼りは、残されたスケッチだけだ。

現在、チップ・フース氏は1939年型のキャデラック「シリーズ 60 セダン」を用いて、スケッチのデザインを具現化しようとしている。基本的には当時のデザインに従いつつ、フース氏独自のタッチを加えるつもりらしい。また、彼はハーリー・アール氏がクライアントのプロジェクトを「マダムX」と呼んでいたことにちなみ、今回のプロジェクトにも同じ名を付けている。同車は今夏の終わり頃には完成し、発表される見込みだ。

フース氏はリドラー賞など、カスタムカーに授けられる米国で最も権威のある賞をいくつも受賞している有名なデザイナーで、自動車番組『オーバーホール 改造車の世界 (原題:Overhaulin')』でもレストアのデザインを担当している。このプロジェクトでも、きっと素晴らしいマシンが仕上がることだろう。作業が進行中の様子やフース氏による完成予定図は、ギャラリーにてご確認いただける。


By Joel Stocksdale
翻訳:日本映像翻訳アカデミー